怪異の舞いは地球温暖化への警告か!? 映画『新・三茶のポルターガイスト』を2回見て部分懐疑派から完全肯定派にシフトした4つの理由

怪異の舞いは地球温暖化への警告か!? 映画『新・三茶のポルターガイスト』を2回見て部分懐疑派から完全肯定派にシフトした4つの理由

面白すぎて2度見に行ってしまいDVDも買ってしまった心霊ドキュメンタリー映画「新・三茶のポルターガイスト」についてネタバレありで感想と考察と妄想をしつこく述べまくります。

衝撃が過ぎる映像の数々で「ヤラセだ」「本物だ」の意見がオカルト界隈を超えて飛び交い、科学VS心霊対立の盛り上がりも含めてとても楽しめた映画でした。

舞台挨拶で監督が示した3つの選択肢、
①すべて本物
②一部本物、一部ヤラセ
③すべてヤラセ

について、私の感想として一度目は②でしたが二度目で①すべて本物に昇格しました。このあたりを詳しく語ってていきたいと思います。

6月22日、新・三茶のポルターガイスト舞台挨拶

はじめに

本記事は、一度映画を見た方向けにネタバレありで感想と考察を共有するものです。ご注意ください。あと、基礎情報的なものも省きます。

ちなみに当方オカルトは大好物ですが、現在世に出ている映像や写真の9割以上はニセモノまたは科学で説明可能なモノ、というスタンス。また、霊的なモノが今の物理世界に作用することは信じる派ですが、体系的な死後世界は信じない派です。

ヤラセと感じた理由

一度目の鑑賞では「②一部本物、一部ヤラセ」だと感じました。映画の1作目や関連YouTubeは事前に見ていましたが、新・三茶ポでヤラセ感が強まってしまった…というのが第一印象です。そう感じたポイントを説明します。

ヤラセっぽいポイント:映画として都合が良すぎる状況

まず小久保先生が機材を持ち込んで調査したのは2回。

この2回で新現象含めしっかりすぎるほど怪現象が多発したのは、とても映画的に都合が良いのです。仮面ダンスやスクエアなどの準備があったとはいえ、何も起きない可能性もあったはず。そのうえで映画撮影と専門家調査という二つの要求にピンポイントで応えきったのは、good jobを通り越して怪しさを感じざるを得ません。

特に仮面ダンス12人目のくだりは都合良い点がいっぱいありすぎて、ヤラセ度は一番高いと思いました。

  • 「一人多い」は心霊界隈でベタ中のベタ
  • 今までない新現象で映画の続編として都合が良い
  • ダンス中の現象なので途中で止めづらく都合が良い
  • 12人目出現場所を隠すような右隅に集まる振付が都合良い
  • 仮面で踊る演出は12人目の顔も隠せて都合が良い
  • 枯草騒動は倉庫奥への意識を逸らすのに都合良い

小久保先生の調査報告によると仮面ダンスは2回行われ、12人目は1回目に出現しています。当然2回目は「何か異変に気づいたらダンスを止めよう」としたそうですが、時すでに遅し。そういう点も考慮しての1回目投入だとしたら、カイジのEカードにおける「1ターン目皇帝通し」のごとき大胆さです。

そしてラストの天井からの上半身。

少しぼんやりしていますが、彼の顔面が「ちゃんとゾッとする造形」になっていたのが心霊系映画の締めくくりとして大変都合が良いです。鏡からの水や線香の匂い、鈴の音や白い手などの現象はイマイチ怖さを感じませんが、ラストのビジュはトラウマ級でした。

ヤラセだった場合の黒幕と目的

三軒ビル
三元ビル

一部または全部がヤラセだった場合、誰が?何の目的で?と推察するのがこの映画の醍醐味とも言えます。思いついたものを網羅してみます。

予想黒幕(首謀者)目的など
◎本命ヨコプロスタッフ売名または横澤代表への愛憎
○対抗横澤代表売名とそれに伴う関連収入
▲単穴REMOW(映画製作)映画の成功(興行収入)
△連下ビルオーナービルの資産価値向上または再開発阻止
叶井俊太郎何か面白いことがしたい
角由紀子オカルトの地位向上
大穴日本心霊科学協会心霊科学のプレゼンス向上

単勝のみではなく、複勝1の可能性もあるので複雑です。根拠なしの妄想全開で一つづつ補足します。

本命:ヨコプロスタッフ

横澤代表を除く一部のヨコプロスタッフがやはり大本命。黒幕が別だったとしても、実行部隊としてあのスタジオに出入りできるアドバンテージは巨大。もともとはオカルト大好きな横澤代表を喜ばせる目的ではじめた仕込みが注目を浴び、引っ込みつかなくなったのではと予想。ただ新・三茶ポほどのエスカレートはリスクが大きく、これは途中で別の黒幕が介入したからでは、と考えました。

逆に横澤代表およびヨコプロの信用失墜を目的とし、注目が高まりきった時点でヤラセを公表する計画で無理なエスカレートに及んでいるかもしれません。

対抗:横澤代表

「もしヤラセだったら暴いてほしい」などの発言は嘘っぽく感じませんが、もと役者だったことは念頭に置いておきたいところ。何よりスタジオ管理者であるが故、取材撮影の許可権限を持っているというのは最大の強み。コロナ禍によるスクールの経営難でやむなく、という理由はすぐ思いつきますが、心霊で知名度上げても入校希望者はあまり増えなさそうです。ただし書籍等は…(略)。

単穴:REMOW(映画製作)

豊島監督など本作スタッフを除く映画製作会社側の誰か、という案。興行収入という明快な動機はあるものの、Youtubeやテレビ向けにも数年前から仕込んでおくとかは気合入りすぎ。ただ資金やルートはありそうなので、「ハリウッドレベルの映像加工」実現性は、候補中トップクラス。

連下:ビルオーナー

海外だと幽霊の出る家は高く売れるそう。角さんも言っていた心霊遺産として価値を高めて売却額つり上げ狙いか、逆に再開発阻止狙いか…。いずれにしても心霊遺産の制度自体未整備の中、現象を継続させ続けるコスパは悪すぎです。逆に開発促進のための「退去狙い」の可能性もあり。ただ横澤代表は「経営より心霊」宣言をしているので、こちらも継続させるメリットはあまりなさそうです。

穴:叶井俊太郎

新・三茶ポのプロデューサー。人肉饅頭やネクロマンティックなどちょっと特殊な映画を買い付けたバイヤーとして伝説の人。私生活でも豪快な逸話がある方なので、映画は視野に入れつつ「ヨコプロという素材で何か面白いことぶち上げてやろう」なんて発想をしなくもないのでは、と勝手に妄想。ただ今年(2024年)癌で亡くなられたので、もし「そう」だとしたら誰に意思を引き継いだのかは気になります。

穴:角由紀子

小久保先生への食い下がりっぷりを見るに、角さんがヤラセ側である可能性はかなり低いと考えます。ただYouTubeを中心に知名度爆上がり中なので、もうすでにディープステート側かもしれませんw。豊富なDS資金によって「オカルト界を盛り上げる!」狙い(巡り巡ってTouTube再生回数狙い)としてがワンチャン。「角さんが来るようになってから現象が多発」という横澤代表の証言も気になる点です。

大穴:日本心霊科学協会

小久保先生もよく登壇している、心霊科学研究を目的とした公益財団法人。心霊科学やスピリチュアリズムのプレゼンス向上狙いとしてあるかもと思いましたが、バレた時のリスクが大きすぎるので可能性はほぼゼロに近いでしょう。ちなみに今回の小久保先生の調査費は、一部この協会が助成。

本当の黒幕とは

…と書いてはみたものの、やはり現時点誰もそんなに得をしていない状態(労力&バレたときのリスクと対価のバランスが取れていない状態)だと感じます。黒幕がいたとして「打算のない愉快犯」であればまだしっくりきます。

細かくプロファイルすると以下のような感じ。

  • いろんな人が怖がったり騒ぐ状況を見たいのが目的
  • そのことで金銭・名誉的なリターンを求めていない
  • 承認欲求はほぼない、または自制できる
  • 豊富な資金がある
  • 映画撮影日などの情報入手ルートがある
  • 単独犯ではない
  • 実行役を縛る強制力(金や恐怖)がある
  • 法に反する行為を恐れない
  • バレた時の社会的影響が小さい
  • 一人暮らし

おそらく複数犯だと思われますが、動機が特殊なので共謀ではなくトップが実行役を何らかの制限で従えている形態と予想。なんにせよある程度の資金があり、会社などの組織に属していない一人暮らしな人…「ヒマをもてあました億り人」とかでしょうか。

あと「マジックやトリックに造詣が深くともオカルト造詣は深くない」とも考えられます。「霊が舞う」とか「霊に体温あってもOK」という発想は、オカルト好きだと逆に出てこないのではないでしょうか。

小久保先生による最終レポート(論文)

2024年8月5日、小久保先生によるヨコプロ調査最終報告資料が公開されました。PDF形式で誰でも閲覧できるので興味ある方はご覧ください。

はじめに補足しておくと、小久保先生は超常現象完全否定派というわけではありません。映画の中でヨコプロ現象を全否定していたシーンが往年の大槻教授を彷彿とさせますが、専門は超心理学です。過去の研究調査の中には「超常性が認められた」ものもありました。

さて、レポートの結論を要約すると

「調査時及び一連のYouTube等で記録された現象すべてに超常性は認められず、ヨコプロによって演出された疑似心霊現象」

ということでした。手や12人目や踊る上半身などは人による「実演」、ホワイトボードやじゃがいも頭や動く魔法陣などは道具を使った「操演」であるとのこと。

ただ決定的な証拠についての記載はなく、おそらくこんな風に実演(または操演)できそうだと「推察できた」から「すべて演出である」と結論づけています。この理論だと逆に「演出の可能性はあるが状況的に実行は困難と推察されるのですべて本物である」とも言えてしまえるのではないでしょうか。

中には演出が明らかなので調査をやめたという項目もあり、このレポートをもって100%ヤラセだと断ずるに些かの(いやかなりの)躊躇は持たざるを得ません。

日本心霊科学会館

9月29日に日本心霊科学会館において「第21回心霊科学研究発表会」が開催され、小久保先生が登壇、このヨコプロの件を発表され、現地で聞いてきました。最後の講評で協会理事の半田さんの「ヤラセ断定は尚早では」的なコメントをした時に、大多数の方の心の声「ダヨネー」が聞こえたような気がしました。

主なシーンの感想と考察

ヤラセの可能性は完全に払拭できないものの、本物である証明もできません。その状況において、現状個人的には「すべて本物」であると考えています。もちろん断定はできませんが、その考えに至った根拠・考察・妄想などを主要シーンに沿って説明します。

床や天井からの手

YouTube等でも何度か捉えられている「手」。舞踊のような美しい動き、影が映るほどの実体感が特長で、それゆえヤラセであるという意見も多い現象。小久保先生レポートでも、床や天井に人が忍んでの実演と推定されています。

出現個所のギミックについては解明されていませんが、サーモグラフィ検査で穴または穴をふさいだような痕跡があったのことです。おそらく下記の図のような仕掛けが推察できます。

三茶のポルターガイスト:床や天井から出る手の仕掛け案

A案の方は出入り時に穴が見えてしまうというデメリットがありますが、塞いだ後はカーペット(フロアマット)がめくれたりせず証拠が見つかりにくいというメリットがあります。B案はその逆で、出入りはとても自然に見えますが、カーペットのめくれは見つかってしまいます。

映画の中では出現個所の手前にラックの木枠があり、どちらの案にしても都合の良い配置ではありました。ちなみに小久保先生のレポートに「フロアマットを押しのけていたのが見えた」とありますが、正確には座布団とのことです(角さん談)。

…といった感じで再現できなくはなさそうですが、おそらく空調のきかない高さ約28㎝の暗闇の床下にトイレも行かずに何時間も待機できればという前提は、かなり無理を感じます。映画の中で見つかった「浴室(倉庫)の横穴」から床下に行けるので何時間も床下待機は不要では、とも思いましたが、だとしても暗くて狭いであろう倉庫でトイレを我慢して長時間待機はかなりの精神力が必要です(トイレ側の出入口以外の侵入ルートがある、もしくは全員グルであれば話は別)。

天井裏も「人が乗ったら壊れる強度」が事実なら、普通に無理。ただし小久保先生レポートで指摘されている天井裏のふかし壁(偽装壁)は、角さんサイドによるとコンクリートだとのことで、ここは食い違いがあります。

というか、大の大人が数人がかりで出現直後の天井や床をさんざん調べて、継ぎ目や穴や裏側の人の痕跡を見つけられない時点で…

ほぼ本物ですよね。

ここから本物前提で考察を進めます。

はじめは「時空のずれ」「時空の記憶(残像)」みたいな原理で、どこか違う場所や過去の生きている人の手の動きがたまたまヨコプロの時空に投影されている、と妄想しました。ただ、この手は誰かが気づくまでゆらゆら出ていて、誰かが気づいて声を上げたりすると引っ込んでしまいます。ここがヤラセだと言われる要因の一つでもありますが、本物だとすると時空の残像とかではなく意思のある存在だと思われます。

映画の中で言われている「てっちゃん」という幽霊かどうかはわかりませんが、我々とは異なる次元の住人がいるとして、その意思とは何なのでしょうか? コックリさんによると、なんとなくこの存在は横澤代表や角さんに好意を持っていて「喜ばせるために手を出している」ようですが、なぜそこまで協力的なのか、なぜ手なのかはわかりません。

ただ感覚的に近いのは「自宅の水槽に手を入れてみる行為」だと思いました。

ゆっくり水槽に手を入れて魚が気づくまで待つ。手に気づいて逃げる魚もいれば、寄ってくる魚もいたりと、その反応を楽しむかなり気まぐれな行為。魚側は「もっと手を入れて!」と願っているかもしれませんが、人間側には伝わりません。

また、我々が水槽に手を入れる際、必ず水面のどこかから手を入れる形になり、水のど真ん中から手を出現させることはできません。ヨコプロの手も、中空からではなく何らかの面から出現するのはそれと近い感じです。

ただし、異次元の住人すべてが自由に水槽(我々の現世)に手を入れられるとしたら、世界は「手だらけ」になってしまい大混乱です。ここはやはり「ヨコプロ水槽」だけがだいぶ特殊な環境であると考えるのが自然でしょう。原理はまったくわかりませんが、ヨコプロ水槽だけ「蓋が開いている」みたいな感じでしょうか。

そういう状態を霊道と言うのかもしれません。

補足ですが、明らかに人間と比率が異なる手(足だったかな?)や、透き通っている手などの目撃談もあるそうです。

ラックに出現した頭

小久保先生レポートによると、ラックの内側に風船の回収口らしき円筒形の物体が見つかったことなどから、風船による実演とのこと。ただ風船そのものや送風源は見つかっていません。

もし私が仕掛ける側だったとして、調べればわかるような場所に仕掛けの一部を残さないし、何よりあの円筒形に通さない方が自由な動きが演出できそうです。狙った場所で膨らませることができるというメリットはありそうですが、下図の②「動かす」というのが難しいはずです。映像では膨らんだ状態で横にスライドしているように見えたので、操演だとしてもあの筒は関係ないのではないでしょうか。

三茶のポルターガイスト:じゃがいも頭の仕掛け

プロデューサーの千葉さんが1度目を目撃していますが撮影はできていません。

「顔」という重要なビジュを「こっそりやる」というのがヤラセだとしたらもったいなさすぎですし、衆人環視のなかで2度目を敢行するのも度胸ありすぎです。さらに風船の出現や回収が人によるものだとすると、やはり夜19:00頃から朝5:00頃まで約10時間以上床下(または浴室倉庫)に待機していたことになります。これはもう…

ほぼ本物ですよね。

本物だった場合、手と同じ「次元の異なる住人の気まぐれ(ある程度の意思疎通可)」ではないかと推察します。

時系列的には同じ日のこれより前に仮面ダンスが行われており、12人目がかなりハネました。この12人目とじゃがいも頭(手の人)は別霊と考えます。いつもは手しか出してない彼が12人目の盛り上がりを見て、「ようしじゃあ今日は俺も気合入れて頭出してみっか!」と対抗意識が芽生えてしまった感じでしょうか。

降霊儀式スクエア

魔法陣の揺動と角さんの足を触ろうとする黒い手の2点がポイント。小久保先生レポートによると、魔法陣は床下からのスピーカー等による操演、黒い手は他の手と同じく床下からの実演、とのことです。

魔法陣揺動の仕掛け「超低周波を発生できるスピーカー説」は、先生の推定の中でも比較的実行しやすい部類に入ります。機器さえ設置できれば、ずっと床下に待機する必要もなく、コントロールもしやすいはず。魔法円の波打ったような動きをみると、そのスピーカー的なものは広範囲に複数個設置されていたかもしれません。

ただひとつ小久保先生レポート(速報)で気になるところがあります。

計5回のスクエアのうち、4回目と5回目は魔法陣は動かなかったそうです。「5回目に周波数や出力の調整があったか不明」としながらの、結びの文が次のものです。

ただし、5 回目の前に魔法円の採寸が行われ、採寸後の設置でシートの向きが変わったので、魔法円がうまく動かなかったと考えられる。

引用:「調査速報 3 三茶ポルターガイスト 2023 年 11 月 19 日の調査」のP36

ここまでシートの向きと揺動の因果関係には触れられていないのに、この考察は唐突です。「想定外の影響(採寸)を加えたから現象が発生しなかった=演出が失敗した」と言いたい気持ちが高まりすぎてしまって、経緯の説明を失念されてしまったのでしょうか。ほぼ正方形の手作りプラダン魔法陣に向きもへったくれもない気がしますが…。あと4回目は向きを変えてないのに揺動しなかった説明もいただきたいところです。

それよりも重要なのは、この現象の再現性。

心霊科学研究発表会でも角さんは小久保先生に質問していました。「重さ約1kgの物体を低周波等で床材を越えて揺動せしめる機器、かつそばにいる人に大きな音や振動を感知させない機器が存在しうるのか?」と。その問いに小久保先生は「再現証明までは依頼に含まない」という反論。

ちょっと納得いかないですが、再現の難易度が高そうなのだけはわかりました。音響メーカーとかが本気出して再現してくれたら捗るんですが…。

床から黒い手が生える

黒い手に対する小久保先生の見解は、その他の白い手と同じく床下からの実演とのことで詳細は述べられていません。が、この手は「積極的に触りにきている」という点で他の手とは大きく異なります。

ヤラセの場合に、手が角さんの足に接触してしまった後の展開を考えてみます。

①慌てて手を引っ込める ②踏まれて「痛っ」という反応を見せて引っ込む ③もっと掴みにいく、などのパターンがありますが、触りに来ているスタンスで①②などの「引っ込む」は整合性がとれず、③は反対に捕獲されるリスク大です。よって「接触してもいい」ではなく、狙って「触れそうで触れない状況」にしたと推察されます。

移動者の声のみを頼りに実行すると触れてしまう恐れがあるので、ニアミスを演出するにはモニタリングが必要。天井などに小型暗視カメラを仕込み、床下からスマホ等で確認しながらできなくはなさそうですが、向きの把握が難しく一発勝負で正確な演技は難しそうです。カメラ等が見つかるリスクもあります。

暗闇でのニアミス演出は困難、床からの穴の痕跡も見つかっていない、魔法陣を浮かせる機器が想定つかない、などのことから推察、判断される結論としては…

ほぼ本物ですよね。

本物の場合、あの黒い手は何をしようとしてたのでしょうか?

次元の異なる住人の意思は図りかねますが、感覚的に近いのは「箱の中身は何だろなゲーム」だと思いました。真っ暗で中身の見えないヨコプロ水槽に、度胸試し的に手を突っ込んでみた、というイメージです。人に触れてしまうと何らかのデメリット(ビリッとくるとか)があるので親方2は推奨していないようですが、血気盛んな若者が「そ…そんなの怖くねーよ!手ぇ入れてやんぜ!」みたいなノリだとすると、触ろうとしていたのにわりとすぐ引っ込んだのも説明がつきますw。

仮面ダンスの12人目

サーモ撮影で人間と同様の体温も観測され、いろいろ都合の良い点もあって限りなくヤラセに近い問題の12人目。小久保先生レポートによると、体温観測や舞台右奥からの出入りが撮影されている点、水草が見つかった時のオカルト73の統率された動きなどから、超常性はなく演出と判断したとのこと。

まずは、映画の中で小久保先生とヨコプロ小野さんの意見が食い違っているシーンについて解説しておきます。

赤外線カメラによって、12人目が出入りしたと思われる垂幕の「めくれ」らしきものが確認されました。小久保先生による概念図を以下に引用します。12人目は倉庫側に隠れていて「幕をめくって這い出た」と判断されています。

小久保先生レポート新図版

これに対してヨコプロ小野さんの主張としては、「舞台右奥は、ダンスの小道具である仮面を投げ入れる用の網が設置してあり、そもそも垂幕はない」というものです。これはパンフレットに写真があったので以下に引用しておきます。

仮面を入れる網

おそらくどちらの主張も正しくて、網より後ろ側に幕はあり、その「めくれ」が撮影された、と思われます。下の図にまとめたので参照ください。

Aは概念としては合っていますが垂幕の位置が正確ではありません。実際に近いのはBでしょう。この網より奥側の垂幕に赤外線が届き「めくれ」が撮影されましたが、ダンサーの足の隙間という限られた面積においてはその位置を正確に判断するのが難しかったと思われます(奥ではなく倉庫とステージの境目に垂幕があるように見えてしまう)。

網と垂幕の位置関係

ちなみに網の奥行がどのくらいかの情報はありませんが、図のB’のようにけっこう奥行きがあった場合、垂幕の向こう側に人がしゃがんで行き来できるスペースがほぼなさそうです。

ただ、動画を何回も見ていると「垂幕がめくれた」ではなく12人目の這い出しが黒く映り、ステージ側への移動が済んだことで白い垂幕状態に戻った、ように見えます。正しくは以下の図のような感じで、「幕はめくれていない」が正解だと思います。

12人目入場の位置関係

都合や推察は省き、起きた・観測できた事象のみを列挙します。

  • 12人目は舞台背面右下から出入りしている
  • 出入り時にカタンという音が観測された
  • 12人目は踊り子が仮面を付ける瞬間に這い出てきている
  • 12人目は踊り子が前を向く絶妙なタイミングで立ち上がった
  • 12人目には人と同じ体温がある
  • 暗幕に12人目の影が映っている
  • タイミングは不明だが誰かが網に臭い草を入れた
  • 舞台裏(倉庫)で12人目は見つからなかった

限りなくヤラセに近い状況ではありますが、それでもやっぱり…

本物だと思いたい!

もしヤラセだった場合、赤外線カメラで出入りが撮られることも、サーモで体温を撮られることも承知していたはず。「あきらかに人間じゃん!」とか「仮面や振付が都合良すぎる!」と指摘されることが明らかな状況下で作戦を決行した理由が理解できません。人間による実演説の手がかりを残しすぎなのです。

はっきり言って稚拙です。

たまたまダンスが止められなかったため十分な退避時間が確保できましたが、誰かがダンスを止めてあの12人目が追跡・捕獲される、ということもありえたはずです。そうなったらすべてが水泡に帰り、映画も中止、犯人もヨコプロも社会的信用を失い、不法侵入等の罪で逮捕されるなど、とにかく終了。

一発で完全終了してしまうというリスクが大きい割に、リターンが「ヤラセ感強まった!」では、釣り合わなさすぎなのです。

私が仕掛け側だったらこの案は全力で却下です。

ヨコプロではさまざまな不思議現象が長期間に渡って確認されていますが、これまでただのひとつも決定的な仕掛けや証拠が見つかっていません。もしヤラセだとした場合、かなり緻密で周到な計画や準備に加えて強固な覚悟と忍耐のうえに実行されているはず。この12人目はそういうスタイルから逸脱しているのです(別の黒幕が介入したと感じたのはここが理由)。

事実、小久保先生はこの12人目によって「他の現象もすべて演出であるという前提で見直さねばならない」と思われたそうです。

映画を2回見てこの思考に至ったのが、「③全て本物」に昇格した要因です。結局あれだけ人がいたのに、倉庫側に12人目も逃走経路も見つからなかったですしね(見つかったが映画ではカットしていたとしたら話は別)。

さて、本物だとしたら、アイツは何者なのでしょうか。

意思を持つ「手」の人とは別霊ぽい、と直感的に感じました。それこそ水面に映る自分の姿を見るような感覚に近いイメージかと。オカルト7の姿が歪んだ時空の場に反射(投影)しただけ、または時空の記憶として定着した過去の練習時の姿が再生されただけ、のような感じで特定の意思なく自然的に発生した現象ではないでしょうか。

まあ、「オカルト7に混ざって一緒に踊りたいと思っていた霊が勇気を振り絞って出現してみたは良いが振付が分からなくてすぐ帰った、の巻」だとしたら愉快がすぎるので「時空バグ」とした、というのが正直なところです。

天井からの上半身

映画のラストに登場した、見ごたえMAXで衝撃の「踊る上半身」映像は、悪魔のいけにえラストシーン4を否が応でも想起させます。呪術廻戦で言うと、渋谷事変陀艮(だごん)戦において伏黒くんが領域に脱出口作ったらなぜか甚爾(とうじ)さんが出てきたくらいの衝撃です。

あまりにも見えすぎているので、12人目に次いでヤラセ臭を感じてしまいますが、ヤラセ断定に待ったをかける3つの違和感があります。

1つ目。小久保先生レポートによると「動きから実演と判断」とのことですが、実演はちょっと無理があると思われます。

何度も見ると分かりますが、天井からの上下移動+回転+横移動があるのでかなり大掛かりなレールや吊り下げ設備が必要なはずですが、そのスペースはあの部屋にはないように思えます。

踊る上半身の実演図

その場での実演ではなく、CG合成との組み合わせならまだいけそうな気がします。

ただ、光と影の見え方がかなりリアル。凡百の似非オカルト動画が醸し出すCG感は感じません。あの空間とほぼ同じ広さのセットに同じ光源やカメラを置いて実演したものを合成した、くらいの精度に見えます。セットはヨコプロとは上下逆さまにして、後から合成で上下を反転します(下記の図参照)。

踊る上半身の撮影イメージ

暗視カメラでグリーンバックとかは難しいので、AI切り抜きとかを駆使すればなんとかいけるのではないかと思います(適当)。

…という感じで再現できなくはなさそうですが、他にも造形デザイン、特殊メイク、動画編集環境などそこそこの資金と専門スタッフが必要。映画製作サイドでない限り、NDA(秘密保持契約)交わしてまでこの手間をかけるかといえば、答えは否、断じて否なのであります。これが違和感の2つ目。

3つ目は、ヤラセ説が噴出するデメリットを分かっていながら、新現象を起こしすぎであること。

この踊る上半身映像が報告されたのは時系列的に12人目撮影日より前。これだけで映画一本いけそうなくらいの事象なのに、あの12人目はどう見てもやり過ぎ。オーバー撮れ高なのです。私が仕掛け側だとしたら、12人目のネタは映画のパート3用に寝かせておきます。

①現場での実演はまず無理、 ②超絶テクを持つマルチCGクリエイターみたいな人がバックについていない限り制作に費用と手間がかかりすぎ、③オーバー撮れ高、ということから、もうこれは…

ほぼ本物ですよね

さて、本物だとしたら、アイツは何者なのでしょうか。

トリガーもなく出現していることから、手の人とも12人目とも違う気がします。明らかに意思を持って舞っているようにも見えますが、その意図はわかりません。シンプルに「存在を知ってほしい!見てほしい!映画に出たい!」というようなお気持ちを感じます。

とにかく彼(彼女?)は、出たくて出てきているのだけは確か。

超常な現象に死んだ人の行動や想いを勝手に意味づけるのはあまり好きではありませんが、この上半身はあのビルにもヨコプロにも関係がない存在だと勝手に妄想します。

(以下妄想ストーリーなので読み飛ばし可)

徳島県佐那河内村で代々続くすだち農家である近藤家の長女チヨコ(仮名)は、小さい頃から映画やテレビドラマの役者になるのが夢だったが、厳格な父は一切その話に耳を貸さなかった。昭和4x年チヨコは20歳のときに上京を決意する。家を出るとき、父は「映画かドラマで主役になるまでは、たとえお前が骨になってもこの敷居を跨ぐことは許さない」とだけ静かに言って戸をぴしゃりと閉めた。

とくに伝手もコネもないチヨコは、上京してすぐ苦労した。寮付きの印刷工場での仕事を見つけたが、貯めていた金の盗難と酒を伴う浪費癖もあり、アパートを借りて一人暮らしできるできるようになるまでに2年かかった。その後キャバレーで働きながら金を貯め、最初の俳優養成所に入ったのは上京から3年後だった。

演技を学んだこともなく演劇経験もなかったチヨコは、養成所でも苦労した。役者のなりかたも業界のシステムも知らず、なによりスタートが遅かったため基礎演技で褒められることはほぼなかった。中学生くらいの子役の演技の迫真を目の当たりにするたび、彼女の腹の奥に黒い澱みたいなものが積み重なり、気持ち沈ませた。

優れた容姿も演技の才能もなかったチヨコだが、それでもねばった。参加できるオーディションにはすべて応募し、端役には数回採用された。ただ主役抜擢には程遠く、役者としての収入は雀の涙。オーディションに落ちるたび、父の言葉を思い出し踏みとどまってはいたが、すり減るばかりの心を何かで埋め合わせる必要があったのである。

チヨコは20代後半から同棲していた男でその心の磨耗を補っていたが、御多分に漏れず男は借金を残して失踪。ついに借金取りが所属事務所にまで来るようになったため、33歳で役者の道を絶った。そして取り立てが実家に及びそうになったため自死を決断。保険金を返済に充てるためであった。

チヨコが多摩川の支流のそばで転落死に見せかけるため度を超えた飲酒をしている間、むしろ恐怖より全ての不安とストレスから解放されることの安堵を感じていた。ただひとつ「映画で主役をやりたかった」という気持ちだけは強く思い出し、なぜか最期に「酔って転落する人を上手く演じてやろう」などと考えながら夜の川へ入水していった。昭和5x年8月のことである。

死後の彼女の意識は、いわゆる浮遊型の霊体となって現世に残ることとなった。とは言ってもチヨコ側からは現世へは何も干渉できないのである。何も見えず何も聞こえず、例えるなら流れがとても緩やかな川の中、濁っていて視界がすこぶる悪いその水中で、ただふわふわと漂っているような感覚。感覚と言ってもそう認識できるのは稀で、ほとんどが覚醒直前のような曖昧な状態であった。

たまに意識がはっきりしてくることがあり、以前は肉体があったことくらいを思い出したが、生前の生活や自身の名前や性別さえも思い出せないのである。そんな時、遠くで人の声や街の喧騒が微かに聞こえたりぼんやりイメージが見えるのだが、その意味は理解できずただ赤子のように現象を享受するのみであった。

そんな浮遊存在であっても、時とともに変化していった。意識がはっきりする時に、少しずつ物事の意味を思い出すことができたのだ。特に自分と似た意識体との近接とコミュニケーションは、その変容を加速せしめた。

そして彼女はテツという名の意識体に出会う。

テツの話は大変興味深いものであった。現世がはっきり見える場所がいくつかあること、中でも三元ビルという場所の一角がこちらからも比較的干渉しやすい超レアスポットであること、自分たちに興味がある人たちがよく来ること、そしてその現象を捉えて映画にしようとしていること…。

チヨコは、映画という単語に強く反応。理由は分からないが使命感にも似た「映画に出なければ」という想いが強烈に湧出した。現世への干渉と顕現はいくつかの制約と損失を伴うものであったが、彼女はそのすべてを受け入れ実行に及んだ。

約1分の顕現で何をするかは決めていた。オーディションでよく披露していた、阿波踊りをベースにしたオリジナルのコンテンポラリーダンスだ。顕現する身体は自身でイメージして具現化せねばならなかったが、ぶっつけ本番だったためうまくいかず、やや崩れた見た目になってしまった。

やりきってすぐに彼女は成仏した。最後に思い出したのは故郷のすだち畑の光景と父の顔。近藤チヨコの意識体は「おとん、ごめんな、ごめんな…」と繰り返しつぶやきながら、静かで広大な闇にゆっくりと溶けていった。

すだち農園のイメージ

以上、妄想ストーリー「阿波の踊子」でした。

揺れるホワイトボードの真実

ヨコプロでは定番のポルターガイスト現象、揺れるホワイトボードについて補足します。

小久保先生レポートによると、ホワイトボードがかかっている壁の向こう側から強力な磁石で操演、と判断されています。が、角さん側の検証によると、ホワイトボードの裏側は磁石がつかなかったそうです。

もしヤラセで磁石じゃないとしたら、見えない系の糸が考えられますが、全く証拠を残さずにというのが難しいのと、時計がグリングリン動いたやつはその糸でも難しそうです。

ヨコプロで心霊現象が多発する理由を考察

(以下も妄言なので読み飛ばし可)

心霊や怪異の枕言葉としての「寒気がした」とか「生暖かい風」などの気温変化に関する表現が、古来より様々な文献等に登場します。小久保先生のレポートにも、観測および体感両方で気温低下が複数回あったと記載されています。

霊の存在自体がそもそも冷たいとか、霊が生きている人の精神エネルギーを奪うから寒く感じる、などいろいろな説がありますが、個人的にはもっと物理的な現象として説明がつくと思っています。見える見えないに関わらず霊的なものの出現にはエネルギーが必要であり、相対的に周囲のエネルギーが奪われる=気温が下がる、みたいな原理です。

ただこの原理だと「生暖かい」は矛盾します。霊的なものが消え去った後で「生暖かくなった」であれば矛盾しませんが、よく現象に遭遇する前に使われます。この点はちょっと悩みましたが、生暖かい場合は、おそらく以下のような状況であると推察します。

もともとその場には霊が5~6名いらっしゃって、人が近づいたことで「ヤベッ人来た!」という感じでみんな消え、それぞれが保持していたエネルギーが周囲に広がって気温が上昇=生暖かい風の発生。ところが霊のうち1名くらいは「は?人なんて怖くねぇよ、やってやんよ!」という感じで消えずに残り、人に怪異を及ぼすのではないでしょうか。

つまり寒くなったら確実に出たという合図ですが、生暖かい時は霊がすべていなくなった可能性があります。ただし生暖かい時に居残った霊は強気の霊なので要注意です。

しかしこの原理も絶対ではないでしょう。気温変化を伴わないパターンの出現や消滅もきっとありそうです。つまり、出現時にはエネルギーを奪って周囲の気温低下を招くが、消滅時にエネルギーを返さず気温変化しない、なんてパターンもあるかと。

ここで閃きました。

エネルギー(熱)を返さずに霊が消滅するということは、その熱は別次元に持っていかれたということ。つまりこの世界は冷えたままになる、ということですね。これでヨコプロに霊が多発する理由がわかりました。

ヨコプロの霊たちは、地球温暖化の影響をなんとか小さくするために出現しているのです!(爆)

見えても見えなくても頑張って出現して現世の熱を吸収、そのまま霊界へ帰って熱を放出。だとすると、あの手がクネクネしたり何か掴もうとしているのは、なるべく多くの熱を吸収しようとしている動きにも見えてくるようなこないような…。

きっと現世側の温暖化が霊界にも何らかの影響をもたらしている気がします。これが証明できたら熱移動三原則に次ぐ4原則目「熱転送5」の発見として、即ノーベル賞ですね。

まとめ

まとめとしては長いですが、3つ述べます。

1.すべて本物だと思う理由

疑わしいところがあるものの、私が「すべて本物」と思った理由を整理すると以下の4つ。

①いまだに決定的なヤラセ証拠が見つかっていない。

②ヤラセだとして、30年も前からやり続ける動機がわからない。

③ヨコプロ以外の三元ビル店舗でも不思議現象は発生しているそう。もしこれをヨコプロ側がやっているとしたら、不法侵入、器物破損、威力業務妨害など法的にアウト。そのリスクに見合うリターンがない。

④小久保先生レポートにおいて、「人による実演または操演と推察できるからすべてヤラセである」と断定しているロジックへの不信感。

4つ目なんかは、はじめ逆ヤラセかとも思いました。

小久保先生が「すべてヤラセだとは断定できない」という結論だったのに、映画サイドが「科学VS心霊という対立構造で盛り上げたいんで全否定スタンスでお願いします!」と頼み込んだ、みたいな。

2.今後の期待

ぜひ三作目の公開を希望します。

小久保先生レポートは「すべてヤラセ」という結論でしたが、あれは先生なりの優しさではないでしょうか。逆に捉えると、あの論文で指摘された「隙」を潰しきれば「超常性あり判断」を約束しているようなもの。まるで、HUNTER×HUNTERのキメラアント編で、NGLへ切符を賭けた割符バトル時のナックルのゴンへの優しさのようです。

次回作はそのあたりを中心に検証とリソースを集中させると、先生も唸る作品に仕上がるかもしれません。クラファンなどで資金を募っても良いと思います。

個人的には年に一回くらいのペースでシリーズ化もありだと考えます。毎回旬な女優やアイドルをヨコプロに呼んでお泊り検証し、発生する現象のインパクトを競うみたいな企画(てっちゃんのパートナー探し企画)です。題して、

霊はつらいよ

三茶より愛を込めて

…みたいな感じです。サブタイトルは毎回内容に合わせて変わります。いかがでしょう?

3.ヤラセにベットしても得はない

強硬な懐疑派の方たちの思考回路が気になります。

バンドワゴン効果ともちょっと違う気がしますが、やはり怪しいものを全否定することで「私は不確かなものに踊らされない常識人」という立場を示すことができ、そこに優位性または安堵を感じるのでしょうか。または「人を騙す行為は許さない」という道徳を盾に攻撃することで快感を覚える正義中毒に罹っていらっしゃるとか。

なんにせよ「科学で証明されたものだけが正しくて真理」という価値観でそれ以外をシャットアウトしてしまうのは、とてももったいなく思われます。未知の新粒子などの発見で人類に超有益な未来をもたらすかもしれないのに、その可能性を放棄していることになる訳ですから。

まだ解明されていない物理現象は多くありますし、「幽霊いるかも」という思考で想像力を高めたり発想力を柔軟にした方が、きっと科学や経済の発展に寄与するでしょう。資源もなく少子化まっしぐらのこの国で、国際競争力を維持するカギはそのあたり(独創がもたらす創造性や革新性)にある気がします。6

最後に、最近アニメ化もされた魚豊先生の漫画「チ。─地球の運動について─」一巻より、異端の研究者フベルトさんの名言を締めの言葉とさせていただきます。

不正解は無意味を意味しない。

引用:チ。─地球の運動について─/魚豊

おしまい

関連コンテンツ

関連するかもしれないコンテンツを紹介しておきます。

スキンウォーカー牧場の超常現象

超常現象が多発するスキンウォーカー牧場で、科学者などが原因を探るべく調査を行うアメリカのドキュメンタリー番組。三茶ポほどの決定打はないのに、なぜかシーズン4まで続いているのが一番の怪奇現象。いろいろな観測機や重機やヘリコプターなど豊富な予算がうらやましい限りですが、ちょっと演出臭が…(略)。

天才バカボン

コンプラ縛りの今こそ面白みが増した伝説のギャグ漫画。電子版21巻に収録されているエピソード「30年目の初顔合わせなのだ」にヨコプロの手の原点があるかもしれません。

バカボンのパパには30年来の友達がいますが、彼と彼の奥さんとその子供3人とも「手」しか見せないのです。なんとか顔を見ようとパパは奮闘しますが、ついぞそれは叶いません。ホラーでシュールなラストも秀逸。

インターステラー

2014年公開のSF映画。心霊はあまり関係はありませんが、「高次元から三次元への干渉シーン」を見事に映像化した傑作。ヨコプロのホワイトボードが動く原理もこんな感じかもしれないので、みんなキャーキャー言ってないでメッセージを本気で読み取るべき!

モブサイコ100

ワンパンマンのONE先生による心霊アクションコメディ漫画で、アニメ化もされています。作品後半で、超常性のある事象が世に周知となるエピソード(ブロッコリー事件)があり、その時の一般人の反応がリアルで面白いです。三茶の手も世界に認められたら崇拝の対象になるかもしれませんね。

女神の継承

わりと最近のホラーモキュメンタリー映画。内容はタイ版エクソシストで、R18。ラストがちょっと好きな感じなのでこちらの記事で詳しく紹介しています。横澤代表が世界初でエクソシストの舞台上映権獲得したという逸話繋がりで。

Presence

スティーヴン・ソダーバーグ監督の新作映画『プレゼンス(原題) / Presence』。全編幽霊視点で描かれた斬新なホラーらしく、日本で公開されたらぜひ見てみたいヤツです。

PRESENCE – Official Teaser #2 – In Theaters January

注釈

  1. 複数の黒幕がグルとなっている、の意。 ↩︎
  2. 親方とはヨコプロに関与する霊の中でリーダー的な存在。 ↩︎
  3. オカルト7:ヨコプロ所属のアイドルグループ。このグループのダンス中によく不思議現象が起きるとされている。 ↩︎
  4. 映画「悪魔のいけにえ」ラストシーンは、殺人鬼レザーフェイスの謎の舞で終わる。これはホラー系コンテンツ史上最高に最上で伝説的に美しいシーン。 ↩︎
  5. 熱転送:距離や時間を超えてエネルギーを移動させる意味で適当に考えた言葉。 ↩︎
  6. 今回の記事で一番主語が大きいブロック。こういう主語が大きめの文章は要注意ですよ。 ↩︎