【タモリ倶楽部神回】日常の風景が音楽に?!音楽業界に衝撃が走った(かもしれない)西村直晃さんの偶然日常音楽の世界

2021年5月7日放送、タモリ倶楽部の「街には楽譜があふれてる!偶然日常音楽祭」(ゲスト:川島明、関取花、レキシ)が超面白かったので、そこに登場された西村直晃さんの作品動画をご紹介します。
偶然日常音楽とは?
偶然日常音楽とは、地下鉄の通路の壁面タイルの柄や、電線に止まった鳥を音符に見立ててメロディーにしてみるという斬新な作曲手法です。
どのようなものなのか、まずは西村さんの作品ダイジェスト動画(2:20)をどうぞ。
あ…新しい~~!
番組では、病院の診察券の営業時間案内を楽譜に見立ててみんなで演奏したり、ロケ場所(テレビ朝日屋上)から楽譜になりそうな風景を写真に撮って奏でてみたりと、とても楽しい企画でした。
が、「西村さんの作品をもっとしっかり見てみたい!」ということで調べてみたら、西村さんのYouTubeチャンネルにたくさんの作品が掲載されていました。すぐさま一気見して、お気に入りの作品を3つご紹介します。
1.みずほ銀行の壁
かかか…かーっこえええーーー!
ちょっと作れそうで作れなさそうなメロディーですが、なんとなく曲っぽくもなっており、最後に大きな盛り上がりがある!
<タイル豆知識:読み飛ばしてOK>
ちなみにこの壁の白っぽいタイル(音にした箇所)は、新築時に柄として施工したものではなく、経年でヒビが入った箇所などを補修するために張り替えたものだと思われます。建物の角などが比較的痛みやすいので、曲の終わり:画面の右が補修箇所が多くなっています。タイルは焼き物なので、土や釉薬、窯の条件などでなかなかぴったりの色を継続して生産することが難しく、例えば20年後の補修時タイルの色が若干違っていて目立っちゃう…というのはあるあるです。
2.網戸に付いた水滴
う…美しい!
タイトルどうりですが、まさに偶然の織り成す天からのフレーズ。
3.街の楽譜の看板などを奏でてみた
な…涙出そう。
これは編曲されているのでちゃんと曲っぽくなってますが、フレーズの素がスナックの看板等であろうとは、この動画見てないと絶対わかりませんね。
まとめ
音楽(作曲)に偶然性を介入させた「偶然性の音楽」という考え方は、アメリカ人のジョン・ケージさんという方が提唱されたのがはじまりのようです。もっと昔には、モーツァルトさんがサイコロ振って作った曲なんかもあります。
ただしいずれも、作曲のためにサイコロやコインを投げ「偶然を創造している」のであり、西村さんのそれとはアプローチの次元が異なります。
すでにあるものから切り取ってくる、という意味ではEDMやノイズにおけるコラージュやカットアップと近い感じもします。が、音でなく偶然の造形(ヴィジュアル)をスコア変換するという手法は、偶然性の音楽の一派にはなると思われますが、もう独自の名前を付けてもいいくらい画期的な手法だと思うわけです。
5年後くらいの音楽トレンドについて、AI作曲が大きな割合を占めることは容易に予想できますが、その対抗馬としてこの偶然日常作曲が強く存在感を示すのではないかと強く思いました!
レキシさんもおっしゃってましたが、こういうのが…
天才です!
おしまい