【WEB漫画:完結】 映画化してもいい程の良作~実録漫画「交通事故で頭を強打したらどうなるか?」│エクループ(大和ハジメ)/週刊ヤングVIP/新都社
この作品は新都社で連載されていた、Webマンガでした。
作者の方が実際に交通事故に遭った際の実録マンガで、以前は最終話まで全て無料で読めていましたが書籍化されたため現在は途中までとなっています。
新都社とは
ご存知ない方へ、まずこのマンガが掲載されていた新都社とは?
巨大掲示板群であるあの「2ちゃんねる」に、「ニュー速VIP」という掲示板が 存在するのをご存知でしょうか。その中の「ニュー速VIP」板で発足した週刊少年VIPを発展させまとめたのがこのサイトです。……(中略)……創刊号に参加したメンバーは4名ですが、その後多数の参加者を加え、現在は100名以上の作家が漫画や小説を連載しています。現在の活動テーマは、主に「沢山の漫画が読めてハッピー」、「描きたい人は読者が得れてハッピー」、「VIPクオリティ」の三つです。
主にアマチュアの方が、自分で描いたマンガを自由に投稿できるWEBプラットフォーム(WEB漫画掲示板)で、無料で誰でも読むことができます。
一般商業誌では見ることができない個性的な作品が無数にひしめき合っており、その中からお気に入りのマンガを見つけ出すのが超楽しく、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
そんな新都社の中で、強い衝撃を受けた良作です。
基本情報と感想
読みだしたら止まりません。
作者の方が体験した実話をマンガにしています。
起こった状況も特殊ですが、この作者の「生き様」がなによりスゴイです、感動します。構成も良くできていて、子供から大人まで幅広い層をぐいぐい引き込む良作でしょう。
学校の図書館に置いてもらいたいです。
・作者:エクループ(大和ハジメ) 2017年完結
・作者が体験した実話
・<意識不明編><後遺症編>の2部構成、計25話
・交通事故で残った障害にどう向き合うかという話
交通事故後、昏睡状態から回復し、食べることもできるようになり、話すことも歩くこともできるようになり、一時は家にも帰った主人公(作者)。だが恐るべきことに、この時点で作者の意識は回復していなかったのです。
何を言っているかわからないと思いますが、マンガを読めばわかります。この事実奇(※1)展開からはじまり、主人公の体と心に起きている状況を、リアルに、丁寧に、わかりやすく描写しています。
※1:事実は小説より奇なり
「自分の内面も含め、世界をどう捉えるか」が一つ根底のテーマとしてあるような気がします。
自分の障害を認識するたびに絶望を、回復を体験するたびに希望を、主人公のとらえる世界はめまぐるしく変化します。損傷した脳機能がもたらす絶望世界に、前を向こうとする意志(心)を必死に紡ぎ、立ち向かっていきます。
「世界?んなもん何やったってどうせ変わんないっしょ。」
私含め、そう思っている人は多いのではないでしょうか。
でも主人公は、障害者の立場から【世界の捉え方は「心(気持ち)」次第でいくらでも変えられる事】を教えてくれます。障害を背負っている方はもとより、健常者も深く考えさせられます。
安西先生も言っています。「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」と。
まあ、いろいろ言っていてもしょうがないのでとにかく読んでみましょう
(∩´∀`)∩ ハヤク! ハヤク!
今すぐ無料で読めます(一部の途中話まで)
トラウマポイント
・ドキッとする展開はありますが、ショッキングな描写はありません。
・主人公(作者)が強く「死にたい」と思うシーンがあります。
・リハビリ時に、漢字を練習した実際のノートが出てきます。お手本を見ながらでも正しい線が引けないため、謎のありえない漢字になってしまっているのが、少しぞっとします。
以上、みなさん交通事故は本当に気を付けましょう。
絶対押すなっ!! (#゚Д゚)ノ押したら耳の穴から指突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたる!!
※本当のトラウマで苦しまれている方々を軽視したり、蔑ろにするような意図は一切ありません。
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【青年漫画:完結】暴力と痛みの哲学書「殺し屋1(イチ)」│山本英夫/ヤングサンデー/小学館 2018.12.04