【青年漫画:完結】 こういうことを学校で教えて欲しかったすぎるニギ!!一億総搾取社会、ドM国家日本に警鐘を鳴らすトラウマ傑作!「闇金ウシジマくん」 真鍋昌平/ビックコミックスピリッツ/小学館

【青年漫画:完結】 こういうことを学校で教えて欲しかったすぎるニギ!!一億総搾取社会、ドM国家日本に警鐘を鳴らすトラウマ傑作!「闇金ウシジマくん」 真鍋昌平/ビックコミックスピリッツ/小学館

ご無沙汰しております。岡DAXヘイブンwithミシリー(改)?=true-bochですニギ。

2019年2月に、15年にわたる連載が終了した「闇金ウシジマくん」というマンガを紹介しますニギ。テレビドラマや映画にもなったので、ご存知の方も多いでしょうニギ。超メジャー作品なので、いろいろなところで紹介も解説もされてますが、やっぱり語りたいニギ!

だって、スゲー面白いもん!(語彙力)

つまるところマンガなんて娯楽なので、何を読もうが読むまいが自由ですが、中には「読んでおいた方が良い作品」というものが存在しますニギ。「はだしのゲン」のようにギ。

「闇金ウシジマくん」は間違いなくソレニギ。

この作品は年代性別・趣味嗜好・性癖に関わらず、なんならマンガ自体をあまり読まないという方にも、ぜひ一度は読んでほしいニギ!

……ただしコレ読むには、けっこうな「トラウマる覚悟」が必要ですけどねニギw

※一部ネタバレ交えてご紹介しますニギ。

※文章の語尾に「ニギ」をつけますニギ。

※なるべくコンパクトにまとめようと思い、これでもだいぶ言いたいことケズったのですがやっぱり長くなっちゃいましたニギ。ごみんなさい、ゆるしてちょんのま。m(_ _)m

 

基本情報くん

この「闇金ウシジマくん(2004-2019完結)」は、私の中で「ナニワ金融道(1990-1996完結)」「ミナミの帝王(1992-連載中)」と並んで【日本三大金貸しマンガ】と勝手に位置づけていますニギ。

●作者:真鍋昌平 全46巻

●ビックコミックスピリッツで15年連載 2019年完結

●現代日本が舞台 闇金を主題にしたリアルな闇描写が特徴

●第56回小学館漫画賞・一般向け部門受賞

●テレビドラマ化(3シーズン) 映画化(4回)

 

あらすじ

金は貸す。ただし、人生と引き換えだ。

闇金業者とは、法外な高金利で貸し付けるアウトローの金貸し。丑嶋は闇金「カウカウファイナンス」を経営。モットーは「世の中は奪い合い。奪(と)るか奪られるかなら、俺は奪るほうを選ぶ!」。サラリーマン・OL、フリーターから風俗嬢、ホスト、ギャル男はたまた生活保護受給者まで、丑嶋から借金をしたことをきっかけに運命が動き出す。借金地獄のその先に、彼らは何を見るのか!?

引用:ビックコミックBROS.NET/小学館

 

主人公:丑嶋馨(うしじまかおる)くんが経営する「カウカウファイナンス」は、トゴ(10日で5割)という超暴利の闇金。3万円借りたら、わずか10日後に手数料5000円も含めて5万円にして返さないといけないニギ。

そういう闇金から借りざるをえない人々のシビアで悲惨な環境、またそういう弱い者を食いものにしようと蠢く輩(やから)やヤクザ達の容赦ない暴力が、残酷なほどリアルに描写されていますニギ。それがかなりエグいニギ。

超鬼エグファイナルMAXディザスターゲロゲロ丸ドリーム誠愛ハウスKZYニギ

しかし、そんな理不尽・不快・残虐・嫌悪…あらゆるトラウマ描写&マイナス展開満載のこの作品の中で、時たま

( ゚д゚)ハッ! 

とさせられることがありますニギ。

シンプルに「それは知らなかった!」という情報としての驚きもありますが、いろいろな登場人物が発する人やお金に対する価値観の多彩さに( ゚д゚)ハッ! とさせられ、グサグサ刺さりまくるニギ。

 

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ドット絵:ウシジマくんとうーたん

 

一つ紹介しますニギ。

「トレンディーくん」編のラストです(21巻)。奥さん子供いるのにナンパやハプバーで遊ぶ金を闇金で借り、不倫にハマって家族崩壊させちゃう、鈴木斗馬くんという、まーーーひどい男がいます。懲りずにウシジマくんから金借りようとしたときに、ひどい事して捨てた愛人の今彼からボコられますニギ。

「あいつ ・・・・・ 理絵のコト 大事にしてンスねェ ・・・ ハハハ。 自分がクズヤロウに見える ・・・・ 俺は 女の敵っスね・・・・・・・ 」

という自虐斗馬くんに対してウシジマくんがこう言うニギ。

いいンじゃねーの?

敵を作れねェのは善人ぶって自分に嘘を付く弱い人間だ。

自分の本心に向き合ってる分マシじゃねェーか。 

by 丑嶋馨

( ゚д゚)ハ—–ッ! 

斗馬くんはウシジマくんにとって優良顧客なので、今後も金借りてもらうために肯定してあげただけかもしれませんが、それを置いておいても「善人ぶって敵を作れない弱い人間……お…オレ(ワタシ)のことだあああああっ!!」ってなる人けっこう多いでしょう。いかがニギ?

作中には、こんなウシジマくん名言がアリアリのアリニギ。

 

■『闇金ウシジマくん』完結記念サイト|ついに終焉。ありがとうウシジマくん!

 

 

ここに全てが凝縮、衝撃の第1話くん

ここから伝説がはじまりましたニギ。以下の小学館公式サイトから無料で読めますので、読んだことない方、まずはニギ。

■第1話「奴隷くん」試し読み/小学館

 

実はこの第1話にウシジマくんという人物の「骨格」がいろいろ凝縮されていますニギ。

●貸した金は終止符を打ってでも回収する

●追い込む時はトコトン

●客は人間と思わない・同情しない

●虫のような目

●奪われるか奪うかという極端な二極思考

詳しくは後述しますが、ウシジマくんは、

今の世の中がとても巧妙にできており「奪う事(家畜を殺すことや自然を破壊することなど)」に罪悪感や負担を感じにくいため、逆に【奪われることにも鈍感になってしまっている】こと

に気づき、そこをうまく突いて生きている人なのニギ。

ハイ、実はこれが今回言いたい結論ニギ。

テストにでるニギーーw

 

闇金ウシジマくん:ストーリー構成くん

 作者の真鍋先生は、膨大な取材を経てからマンガを描くというスタイルが有名ニギ。そのようにして作られた46巻もある長期連載ですが、大きく前半と後半に分けられますニギ

※ワタシの個人的な解釈ニギ。

32巻の「フリーエージェントくん」編までが前半

前半は、ウシジマくんからお金を借りるさまざまな人目線で、その人々を中心とした人間ドラマになっていますニギ。ウシジマくんがほとんど出てこない話も多くありますニギ。

ただ、ここまで読むとウシジマくんの無敵感が肥大しすぎちゃって、もう「神?」ってくらいになってますニギ。めちゃ強い、ヤクザにも引かない、頭いい、大金持ってる、非情で躊躇しない、仲間は大事にする……どうしたらそこまで強くなれるのか?何のために闇金をやっているのか?そのナゾが気になりすぎてお金借りたくなりますニギ。

32巻の「復讐くん」からが後半

で、後半は債務者視点ではなく、ウシジマくん中心に展開しますニギ(債務者も出てきます)。彼の力とカネを取り込もうとするヤクザとの抗争が表向きのストーリーですが、そういう状況を通じて【ウシジマくんの人間像】をあぶり出す話と捉えていますニギ。無敵のウシジマくんは、なぜ闇金をやっているのか?何が一番大事なのか?ホントのピンチになったらどうするのか?誰かに負けるなんてあるのか?

後半では、前半では描かれなかったウシジマくんの活躍がたっぷり描かれていますニギ。

読みだしたら止まらないニギ。

 

よっしゃ、まずは全シリーズおさらいしますかニギ!ヒマだしニギ!

シリーズ名 単行本 概要
「奴隷くん」 1巻 記念すべき第1話。非情なウシジマ社長登場。
「債務者くん<ウシジマくん<金主くん」 1巻 ウシジマ社長より立場が上の存在=金主。それよりも「うーたんもんもん」に衝撃!また、子供の前での親土下座に激昂もレア。
「若い女くん」 1巻 悲惨な闇金転落人生。ここがトラウMAX!
「バイトくん」 1巻 ウシジマ社長23歳だって!若い!
「闇金狩りくん」 1巻 逆に闇金業者をだまして稼いでやろうという「闇金狩り」が出現!果たして!
「ヤンキーくん」「ヤンキーくんPart2」 2巻~3巻 「伝説のヤンキー(愛沢くん)」が大人になったらどういう暮らしをしているかを取り上げたシリーズ。カウカウファイナンスの新メンバーマサルくん滑川が登場。かの有名な「ヘコー」がここ。
「ゲイくん」 4巻 ゲイの苦悩と生きづらさを丁寧に表現したシリーズ、上質な映画のよう。Mの「ジャニオタくん」が借金の厳しい取り立てで興奮するという技は、発想の転換!
「ギャル汚くん」 4巻~5巻 知人は多いが真の友人はいないというイベント系サークル代表小川純くんの話。彼の策略でウシジマくんが逮捕、大ピンチ!そしてあの肉蝮くん登場!

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ドット絵:肉蝮くん
「フーゾクくん」 5巻~7巻 フーゾクで働く女性の話。「池袋のエース:沼田」が超コワイ…(((;゚Д゚)))ガクブル
「フリーターくん」 7巻~9巻 実家暮らしのフリーター、典型的ダメ人間宇津井優一くんと、株で失敗する彼の母、その一家が見事に搾取される話。ちょっと泣ける?
「サラリーマンくん」 10巻~12巻 医療機器メーカーに勤めるサラリーマン、まじめで病んじゃう小堀くんとダメ人間板橋くんの話。かの有名な「FU・ZA・KE・RU・NA ふざけるなァー!!」はここ。パワハラ・リストラ・鬱・過労死など企業の職場環境問題をいち早くリアルに描写。
「タクシードライバーくん」 12巻 2話で完結する短いエピソード。カウカウから借金しているタクシードライバー足立くんは、大晦日に女性を轢いてしまう!果たして!
「出会いカフェくん」 13巻 親の借金で金に困り出会いカフェで働き出す鈴木美來くんと、ニューリッチとの格差交錯の話。ラストは意外にさわやか。
「スーパータクシーくん」 14巻 元ホストでナルシストで女遊びが大好きだが、離婚して会えない娘の事は大事に思っているタクシードライバー諸星信也くんの話。かの有名な「100万ボルツカッコイイ!!!」はここ。ラストが秀逸。
「テレクラくん」 15巻 男に貢いでテレクラ売春→パチンコ→闇金ループの吉永美代子くん、当然娘は放置。娘の美奈くんも家出→マンガ喫茶→テレクラ売春。これキッツい…まさに毒親。
「楽園くん」 16巻~17巻 原宿で読者モデルを目指す中田くんが巻き込まれる、華やかなファッション業界の裏側の話。オサレ皇帝のG10(ゴト)くんがイカす!かの有名な「AZEMICHI列車!!ポオオオオ…」はここ。
「ヤミ金くん」 18巻~20巻 このシリーズが一番好き。輩と貧困ビジネスとウシジマくんの中学時代エピソードが語られる。ウシジマくんの同級生竹本くんが異質。詳しくは後で。

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ドット絵:鰐戸三蔵くん
「トレンディーくん」 20巻~21巻 冒頭で紹介したナンパ師鈴木斗馬くんの不倫話。彼を虜にしたアラフィフ今井万里子くんのビフォーアフターが超コワイ…(((;゚Д゚)))ガクブル 探偵に依頼し不倫が確定した時の斗馬くんの奥さんの笑い方「カラカラカラカラ」も超コワイ…(((;゚Д゚)))ガクブル
「ホストくん」「元ホストくん」 21巻~23巻 現在はカウカウファイナンスの社員高田くんのホスト時代の話と、その時の同僚隼人くんが持ちかけてきた投資詐欺をめぐる話。高田くんにハマって転落していく愛華くんが無残。かの有名な「珍獣戦隊コブレンジャー」はここ。

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ドット絵:コブラ-レッドくん
「生活保護くん」 24巻~25巻 極度の下痢体質で職が長続きせず生活保護を受給することになった佐古彰くんの話。佐古くんはDQNの悪事をネットに晒す「DQB(ドキュンバスター)」として大活躍!

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ドット絵:DQBさこくん
「洗脳くん」 26巻~28巻 北九州で実際にあった洗脳監禁殺人事件をモデルにしている。洗脳詐欺師、神堂大道くんの洗脳テクがリアル。闇病みが深みすぎ。こういう話があるので、ウシジマくんが「イイ人」に見えちゃうという不思議。
「中年会社員くん」 29巻 不況で大手企業に勤めていても安定した終身雇用が保証されなくなった事を気づかされる話。
「フリーエージェントくん」 30巻~32巻 マサルの同級生村上仁くんが情報商材で一発逆転を狙う話。月収1億を稼いだネットビジネス界のカリスマ天生翔くんには与沢翼さんという実在のモデルがいる。
ウシ 「復讐くん」 32巻 ここからが後半。債務者視点ではなく、ウシジマくんを中心にウシジマくんの人間像が描写される構成。ウシジマくんに恨みを持つヤクザ飯匙倩(はぶ)くんが出所。
ウシ 「ヤクザくん」 33巻~36巻 加納くんの仇にウシジマくん本気出す!熊倉くん飯匙倩くん大爆焼!肉蝮くんあっさり退場!
ウシ 「逃亡者くん」 36巻~39巻 ウシジマくんを裏切って沖縄に逃げたマサルくんは、客に同情できるやさしい奴でした。華やかな南国リゾートイメージではない実態としての沖縄の空気感を住む側目線でリアルに描いた名パート。ウシジマくんは台湾へ逃亡。
ウシ 「ウシジマくん」 39巻~46巻 新宿へ帰ってきたウシジマくんと最大の敵滑皮くんとの最終対決を描いたアクション大盛りのラストシリーズ。カウカウファイナス立ち上げ時のエピソードもあり。そしてラストは……

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ドット絵:椚くん(両手落ち)

いや~~こうして見ると全部面白いニギね! 切り取るテーマだったり、個性的な登場人物だったり、え~~とどれも全部面白いニギね!

個人的お気に入りシリーズBEST3

第3位:「逃亡者くん」編

裏切ったマサルくんが沖縄へ逃亡し、やっぱり闇金やりながら夫のDVに苦しむ女性を助けようとする話。丁寧に描写されたリアルな「沖縄の今」を背景に、ウシジマくんに捕まってしまったマサルくんの運命に目が離せませんニギ。2回目の「一度失った信用を取り戻すのは、最初に信用を得るより難しい」名言もじ~んときますが、このシリーズ中盤のシーンに( ゚д゚)ハッ! となりましたニギ。

「逃亡者くん」編の10(37巻)です。影の濃い裏路地?で、「花を摘まないで」と貼り紙がある場所で、ある老女がハイビスカスを摘みますニギ。老女は古びたビルの窓から摘んだ花をポイポイ捨てますニギ。その老女はその年で売春をしており、そのあたりは沖縄の風俗嬢が最後に行き着く所……本編とは関係のない描写なのですが、一気に引き込まれますニギ。(取材で得たホントの話っぽいし)この5ページを読んだだけで心臓に変な汗をかいて、どんな統計データや書籍とかよりも沖縄の闇の深さを実感できますニギ。ここ天才やでホンマ……

第2位:「フリーターくん」編

宇津井家の搾取されっぷりが見事。家も含めた全財産を奪われるというさんざんな目に会いながらも「家族のありかた」を考えさせられるような、ちょっとイイ感じで終わりますニギ。が、ウシジマくんひどすぎますニギ。「非情だが外道ではない」というところがウシジマくん人気の要素なのですが、このシリーズでは外道まっしぐらですニギ。

「あなたが搾取されないための教科書」として、このシリーズだけでも読んでいただきたいニギ。そしてこのシリーズに、この作品と現代日本を読み解く重要なキーワードがありますので、詳しくは後述しますニギ。

第1位:「ヤミ金くん」編

ウシジマくんの中学時代のエピソードがあり、前半の中でも唯一ウシジマくんの人間像が深く表現されているシリーズになりますニギ。特にラストが神回!これも詳しくは後述しますニギ。

 

※文章の語尾に「ニギ」をつけるのは、ふざけた感じになるのでもうやめます。

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「フリーターくん」編から読み解く本作品のキーワードくん

※7〜9巻

7巻から9巻に掲載されている「フリーターくん」編、主人公は、35歳実家住まいでフリーターの宇津井優一くん。根気がなく嫌なことからすぐ逃げる、仕事は長続きせず状態の悪さを全て他人のせいにする。借金した金をギャンブルで浪費してもなおパチプロで生きてくとか言ってる、典型的なダメ人間のクズ

まあ9割以上本人のせいでそんな悪い状況になっているのですが、その状態を冷静に見ると誰でも【不安】に陥るはずです。

そう、このダメ状態は

不安から逃げている

せいでそうなっていると言えます。

それはしょうがありません、不安を受け止め続けてしまうと、それはやがて絶望に変わるから。さらに絶望=死であることを、生物の本能としてみんな理解しているから。

 

そして今、幸か不幸かそんな不安の逃げ道が多く提供されています。ギャンブル、出会い系、ネット、ゲーム、酒、タバコ、ドラッグ……で、これらの逃げ道=

不安の解消にはお金がかかる

ということですよ。

ウシジマくんたちはココを狙っています。

不安を感じている人ほど逃げ道を欲しがるから騙しやすい。言い換えれば、「人を不安にさせるほど搾取しやすくなる」ですよ。

極端ですが、さらに言い換えると、「あなたは不安を与えられているもの(ところ)から搾取されている」ですよ。巧妙に逃げ道もセットで用意されてねw

あなたは誰から搾取されている?

それをこのマンガ読みながら一度考えてみてください。作中にヒントも答えもたくさん載っています。

 

働かない息子、早期退職した夫、今後の生活不安に耐えかねて、宇津井くんのお母さんは株の信用取引に手を出し、見事に騙され大失敗してしまいます。ウシジマくんとグルになって宇津井くんのお母さんをハメた、詐欺師樺谷(かばや)くんのセリフに、これらのことが集約されています。

今の世の中、不安な奴だらけだから、こっちは仕事がやりやすいよ。

by 樺谷

 

闇金ウシジマくんは、なぜこれ程の人気作になったのでしょうか。エグい暴力表現による怖いもの見たさ? 闇社会の実態についての好奇心? まぁそれらもあると思いますが、何よりは

不安の共感

ではないでしょうか。

46巻の長きに渡って様々な債務者の様々な【不安】が描かれています。その中に必ず1個か2個、多い人なら10個くらい「それわかりみ〜」という共感があるでしょう。そうなったら目が離せません。登場人物と自分が重なり、その行く末を知りたくなるし、何よりその不安を解消したいのですから。

残念ながら、このマンガを読むだけでは不安は解消されません。しかし、【不安から逃げ続けるだけでは解決しない】という大事な気づきが得られます。これだけですごく大きな価値があります。

ぜひ、この「フリーターくん」編に限らず、【不安】というキーワードを意識しながら読んでみてください。その多彩さリアルさは、まさに不安大百科、一億総搾取社会ここにあり!ですよ!(?)

 

引用:闇金ウシジマくん24巻「生活保護くん」

そういう不安描写について、マンガ表現としても「ああゴイスー…」と感嘆するポイントがたくさんあります。上のコマをぜひ見ていただきたい。「フリーターくん」編ではなくて、もうちょい後の24巻「生活保護くん」編に出てくる1ページ1コマの表現です。

ウシジマくんの背景は、写真をトレースしたリアルなタッチが特徴。「時間かければ誰でも書けるじゃん」とか思う方もいらっしゃるかもしれませんが、タピっとけ。どういう風景をどういう構図で切り取って、どう描くかはセンス必要だっつーの!

だって見てよコレ!↑↑↑不安くない?めっさ不安み深くない?凄いってマジで!

スゴォォヽ(*´゚口゚`)ノォォイッ!!

もう逆に尊くて額に入れて玄関(外側)に飾りたいぐらいだヨォ!

 

■関係ないけど面白記事

マウスに「不安細胞」なるものが発見された!?

 

 

おすすめシリーズ「ヤミ金くん」編くん

※18〜20巻

個人的なお気に入りシリーズNo.1です。

あらすじ───

ウシジマくんの地元で恐れられた「鰐戸(がくと)三兄弟」は、ホームレス等を強引に低賃金で働かせる「誠愛の家(ラブハウス)」という貧困ビジネスを運営。そこに勧誘された「竹本優希(たけもとゆうき)」くんは、ウシジマくんの中学生時代からの幼馴染で友人。竹本くんは、誠愛の家から脱走を図って失敗し右足首を切断された黒田くんの治療費のために、カウカウファイナンスから金を借りる。そのことで、ウシジマくんに恨みを持つ鰐戸三兄弟の復讐計画が動き出す────。

3つの好きポイントがあります。

1.竹本くんというキャラクターが異質で目が離せない

2.ラストが神回

3.無敵の人対策のヒントがある

では、それぞれを詳しく説明しましょう。

 

1.竹本優希というキャラクターの特異性

この竹本くんというキャラクターがとにかく異質。肉蝮くんとか鰐戸三蔵くんとかは凶暴性・残虐性の面で激ヤバですが、どこかに近しい人は実在してそうな気がします。が、竹本くんみたいな人はちょっと多分いません。おそらく作品の中で一番フィクションなキャラクターではないしょうか。彼は──

目の前の苦しむ人を思いやりすぎる

それを助けるための自己犠牲を厭わない

人がそうあるべきことを強要する

──人間。ただの優しいヤツではありません、その度合いが極端なのです。「目の前の困っている人を救うにはあなたの命が必要」という場面に出くわしたら、ポイっとその命を捨てられる人です。だが完全な聖人というわけではなく、救われるためであれば持つものから奪うこともやむなし、という特異な思想。

また、多くの人を救うために自身が稼いで分配しようという大局的な行動は目指しておらず(稼ぐ能力はあるのだが)、あえて金を持たないという苦行的環境に進んで身を置いているフシがあります。

一般的に見たら、100億%「THE変なヤツ」であるし、マンガのキャラクターとしてもちょとないパターン。「突き抜けた善人」だけであればどこかで見たことありそうですが、ちょっと違うんですよね。「刹那的善行主義」とでも言いましょうか、思想は極めてマクロだが、行動はミクロ。ウシジマくんが竹本くんの善行をウマく言ってます。

「便所をエビアンで流すよう」

別のマンガですが、トライガン(及びトライガン・マキシマム)のヴァッシュ・ザ・スタンピードくんが全方位的平和主義者として近い感じかなぁと思ったけど、ヴァッシュくんの場合は「目の前SAVE」に加えて、根本的な問題解決のためにも考え行動している点がちょっと違うんですよね。

 

竹本優希
キリストのごとき?「竹本優希(たけもとゆうき)」

捉え方としては、【ウシジマくんの対極存在】とするとわかりやすいでしょう。各哲学が極端すぎることだけが共通点ですが、見事にそれ以外が対極です。そんな二人が友人であること、という設定だけでもう面白いし、引き込まれるし、このシリーズの注目ポイントなのです。

■ウシジマくん竹本くん比較表

ウシジマくん 竹本くん
金は (生きるための)力の象徴、だから持っておくべき 使い方が大事、持つことに意味なし
他人は 信じない 信じる
人を好きに なれる なれない
弱者は 騙して奪う 助ける
略奪は しない 富めるものからはしてもよい(ただし暴力はダメ)
モノは 持つ 極力持たない
外見は いかつい イケメン
ケンカは 強い 弱い
価値観を 強要しない 強要する

※管理人の解釈です。

あと、もう一個この表作ってて気づきましたが、竹本くんは「究極のミニマリスト」。実はラストシリーズ「ウシジマくん」編で、もう1回竹本くんが登場します(カウカウファイナンス立ち上げ時の回想シーンとして)。当時の竹本くんは富裕層で、立派なマンションに住んでましたがほとんどモノを持っていませんでした。

そこからどんどん必要無いものを捨てていったら、モノも住居も生活保障も全部なくなっちゃってましたww  そんな竹本くんが捨てずに残したモノ、必要とするコトは何なのか? そんな事を考えながらこのシリーズを読み返してみるのもちょっと面白いかもですよ。

 

2.シリーズラストが神回!

突然ですが、私の大好きなマンガの一つに「コミックマスターJ」という作品があります。(ヤングキングアワーズ/原作:田畑由秋先生・作画:余湖裕輝先生/全13巻) 報酬500万でマンガの仕上げや制作を請け負う、伝説のスーパーアシスタント「J(ジェイ)」。あらゆるペンタッチが可能、超絶的な技巧とスピードで締め切り間際の作家を救う…ただし、魂のあるマンガしか請け負いません。

Jくんは、1話分ネームから丸ごと請け負う場合があります。従来のストーリーを壊すことなく、最っっっ高に面白い展開にしてくれます。その1話のみで人気は急上昇し、作品の評価も上がります。しかし、並以下のマンガ家だとその高評価に応えられるクオリティを継続することができず、結局自滅してしまいます。

で、このシリーズのラスト「ヤミ金くん29」を読んだ時に思ったのです。

コミックマスターJは実在するうぅぅ!!

それ程の神回です。…というか個人的なクセで、マンガとかの神回的なものに出会うと毎回「J降臨!J降臨!」と一人ではしゃいでます。

Jコウリン!ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノJコウリン!

この回は、当然このシリーズの結末を描きつつ、これから先の展開を示唆する描写がなされているのですが、多くの結末・展開がとても簡潔に、そして自然にうまくまとめられています。「もう2〜3話いけるんじゃね?」ってくらいの濃い内容です。要素が多いといっても、ただぎゅうぎゅうに詰め込んでいるのとは違います。大事なシーンはぜいたくに見開き2回使ってますし。

あーこういう能力って何て言うんですかね? 規定のページ数で、描きたいことを無駄なくまとめる能力……構成力?ネーム力?とにかくそれが凄いって話ですよっ!奥さん!

本筋ではありませんが、拷問で吐かないために自分で舌を噛んでフガフガしか言えない柄崎くんの言いたいことを加納くんが完璧に通訳するシーンとか、ちょっといいなぁってほっこりします。また黒田くんの自首?が新聞記事で判明しますが、その新聞見て「おっ」って言った榊原くん(誠愛の家メンバー)が、実は黒田くんの記事ではなく安い風俗の広告に反応していたりが、うまいなぁ(竹本の聖人行動に触れても変わらない人間もいることの描き方)と思います。

そんなポイントも交えつつ、マサルくんと滑皮くん&戊亥くんの不穏な動き……この先の展開が超絶気になりすぎます!

そして一人になったウシジマくん、中学時代の竹本くんとの会話を思い出します。

僕もキミみたいに人を好きになってみようかな。

by 竹本優希

詳細説明は省きますが、交差点のど真ん中で車止めちゃう程顔を覆って後悔するウシジマくん。二人とも極端で生き方を変えられなかったことで、ウシジマくんは竹本くんを地獄送りにせざるを得ませんでした。ただしウシジマくんが後悔したのはそのことではなく、竹本くんが極端な博愛主義者になってしまったのは、(中学時代の)自分のせいであることに気づいてしまったからではないでしょうか。

竹本くんは中学当時、普通の家庭で普通に愛されて育っており、それが当たり前すぎて「人を好きになる」という意味も感覚も理解できていませんでした(贅沢)。そんな竹本くんから見て、母死別&父親いない、寝たきりの祖父と二人暮らし(+貧乏)という思いっきり不幸なウシジマ少年が「母ちゃん大好きって当たり前じゃねーか」と言い切る事を、「羨ましい」と言います。

そしてさらに衝撃の出来事が!

ウシジマくんは転校してきた初日に、柄崎くん加納くんらに目をつけられ、クラス全員からリンチを受けます。(竹本くんは参加しなかった) ところが今度は柄崎くんと加納くんが鰐戸パイセンにからまれてヤバいことに。

そこにウシジマくんが助けに入ります。ウシジマくんは、自分が少年院に入ることを厭わず鰐戸三蔵の頭に金属バットを振り下ろすのです。

意味なくリンチしてくるようなクズを自分の命を投げ出して救う

さんざん否定した「竹本くんの聖人観」の最初のお手本がウシジマくん自身だったこと───それきっかけで大事な友人の生き方を変えてしまっていたこと───そしてそのことに今まで気づけなかったことに、ウシジマくんは大後悔したのではないでしょうか。

そうだとしたらウシジマくんやさしみ深すぎです。

(ノд -。)クスン

 

6月末に発売された「闇金ウシジマくん本」を読みました。真鍋先生のインタビューが多く掲載されており、いろいろ分かりました。他のシリーズは、重ねた取材内容を紡いでストーリーを構築されていたようですが、なんとこの「ヤミ金くん」編は取材してないそうです。「うそ〜〜ん!」ってなりましたよ。

 

3.無敵の人対策のヒントがここに

今年に入ってから川崎の無差別児童殺傷事件、京都アニメーション放火事件など、無敵の人事件が話題になり、いろいろなコメンテーターがいろいろしゃべってましたが、「あきらめずにみんなで考え続けることが大事」とかで終わってました。

そういうことではなく、具体的な案が聞きたいですよね。でもきっと難しいんです。簡単にできる対策ならすでに実行されているでしょう。それでも! 案を出さないことには前に進みません。

ネタバレになってしましますが、この「ヤミ金くん」シリーズのラストのラストは、まさに無敵行為(強盗&レイプ&自殺)を実行しようとした債務者(甲本くん)がそれを思いとどまるシーンでした。

なぜ思いとどまることができたのか?

それは竹本くんのおかげです。

竹本くんは、何度も何度も何度も何度も人を信じ、それこそ自分の命を投げ出す程の自己犠牲をもって他人を助け続けようとしました。どんなダメ人間でも、決して見捨てずに寄り添い続けようとする竹本くんの本気の姿勢に、甲本くんは考えを改めたのです。(単なるビビリという説もあり)

事象だけを見ると、ひとつの無敵行為を防止するのに、竹本くん程の超絶イイ人の命(と同等の犠牲)が必要だったということになりますが、代償でかすぎです。でもやっぱりここに無敵の人対策のひとつのヒントがあると考えます。

結論から言うと「お金やモノではないSAVE体験」かなと。そしてそれは以下の2つ。

①信頼体験

②犠牲体験

①誰かから「信頼」されること、です。「信用」ではありません。「信用」は過去の実績や成果に対して生まれる物理的な評価。「信頼」は未来に対する精神的な評価、本来は信用の上に成り立つものですが、ここではそれ無しの「信頼体験」です。「世の中捨てたものではない」と思わせるためには、まず「自分に価値がある」と認識する必要があるのかなと。そのためにのひとつが「他人からの信頼体験」。そしてこれはペットとかロボットでは代行できないと思います。

②「誰かが自分のために犠牲を払ってくれる体験」です。本来なら自身が負うべき困難や苦痛などを他人が代行して助けてくれるということです。お金や食べものを恵んでもらうこととはちょっと違います。その他人の肉体的・精神的労力や時間が消費されて助けられる体験です。お金とかには代え難い価値(恩)です。

甲本くんが最後に無敵行為を思いとどまったのは、「竹本くんが悲しむから」よりも「竹本くんの犠牲が無駄になる=竹本くんから受けた恩(価値)を捨てたくないから」という意識が働いたからではないでしょうか。お金を捨てる(使う)ことに罪悪感を感じることはありませんが、他人から受けた恩(犠牲体験)を捨てるには、「裏切り」という苦痛を伴うからです。

 

経済的、社会的に追い詰められた人に、この2つの体験を提供する仕組み────。言うのは簡単ですが、実行するのは大変難しいので、システム化するにはぜひ偉い人と頭の良い人に頑張っていただきたい!(結局丸投げ)

で、こういう社会的な制度の実現化は大変難しそうですが、追い詰められる前に①と②ができる環境があります。

各家庭で、親が子へです。

学校ではダメです。無条件の信頼と犠牲は、親が子にしかできません。それを他人へ向けることができる竹本くんというキャラクターは、やっぱり異常、でもだから目が離せない!

最近マーケティングの世界でも、ベネフィット(便益)よりエクスペリエンス(経験・体験)が重視されているようです。金銭的な支援も大事だとは思いますが所詮は対処療法、「エクスペリエンスSAVE」の方が解決への近道で効率的でもある気がしませんか? 言い換えると「逃げられる確率が高くてもメタルスライムを狙え!」ということです!……ち…違うかな?

 

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ラストシリーズとウシジマくん人間像くん

ようし!やっとここまで来たね!そろそろ本気出すか!

(腕まくり)

……でも振り返ってみると、だいぶ長くなっちゃってるので、簡潔にしましょう。ネタバレも多くならないように言いたいこと絞りましょう。

このラストシリーズは、ウシジマくん中心に半グレやらヤクザやら殺し屋やら入り乱れて怒涛の展開になっていきます。単行本約7巻分の大ボリュームで、カウカウファイナンス設立の過去回想もはさみながら、今まで描かれてこなかったウシジマくんの人間像が浮き彫りになっていきます。

そのへんの本筋は、マンガ読んでください! 面白いんで! で、その中で言っておきたいポイントを3つ…いや4つくらい言わせてください。

ウシジマくんの本質①【人生観】

中学生時代にはすでに確立していた「強者に屈しない強靭な意志と行動力」「身内・仲間をとても大事にする」というウシジマくんの骨組み。これだけ見ると周りから慕われるいい奴そうですが、「他人には非情」「容赦ない暴力行為(やるときは徹底的に)」などの点を見ると、ちょっと海外ギャングのような異常性を感じます。

詳細は描かれてはいませんが、複雑でだいぶ極端であっただろう幼少期の家庭環境によって、この特殊な人格が作り上げられたのではないかと思われます。竹本くんの「ウシジマくんは優しいが敵を作りやすい生き方」という言い方だとちょっとかっこ良いですが、やはりどこかで「刺激を求める性格」であることは明らかです。

少年院を出た後、シシックの闇金組織に強引に勧誘され入った時に、その理由を「退屈だったから」と言っていましたし、少年院を出てすぐ普通の仕事をしている時に、かなり退屈そうにしている描写もあります。


引用:闇金ウシジマくん40巻「ウシジマくん16」

もう一点注目したい描写が、最終回で菊池くん弟がお姉ちゃんを刺そうとしたときの「その先に何もないぞ」の一言。これはウシジマくんの実情を語っているふうです。

加納くんの報復を実行(熊倉くんぶっころ)して以降の自身の状態のことを言っているのかなとも思いましたが、その前後でそんなにウシジマくん変わってないんですよね。もしかしたら、柄崎くんたちと出会った中学生時代にはすでにそう(慢性的な空虚感・虚無感)だったのかもしれません。もしそうだとしたら、それを解消するための「退屈嫌悪=刺激を求める」&「何かに強い執着と依存=母の形見のウサギ」かもしれず、ちょっとしっくりきます。

1巻で「いつか金主になってやる」という宣言(目標)がありましたが、それ以降それに関する行動や描写がありません。そのことはあまり本質ではないっぽいです。結局何のために大金を稼いでいたのかの本当のところは描かれておらず(「金は力」という持論はある)、それについて実は「目的はなかった」のかもしれません。

極端な二極思考慢性的な空虚感を症状とする「境界性パーソナリティ障害」という精神疾患があり、ウシジマくんはなんとなくそれ的な気がします。境界性パーソナリティ障害の原因はいくつかありますが、その一つに幼少期の育児環境(トラウマ)等による基本的安心感の欠如があります。勝手な想像ですが、ウシジマくんも多くの債務者たちと同じく小さい頃は強い不安を抱えていた子だったかもしれません。例えばお金がないことで強い不安経験を経ていたとしたら、大金を稼ぎ続けるという行動自体が、物理的な目的のためではなく「基本的安心感を得るため」だったのかもしれません。

※ただしですが、パーソナリティ障害にみられるという情緒の不安定さがない(極端だが一貫している)、またはその症状による本人の苦しみ悩みの描写がないので、典型的な疾患状態とは言えないでしょうね。

 

ウシジマくんの本質②【女性観】

社長マジBL系?

って疑っちゃうほど浮いた話が一個もありませんでした。竹本くんや戌亥くん(ウシジマくんが頼りにする情報屋)と何かあるんじゃないかって感じの腐燃料はありましたがw

ウシジマくんの女性観が推察できそうな事象を上げます。

・母は死別、中学時に母大好き宣言。

・中学から数年少年院。

・母の形見のウサギを溺愛。4世代目まで繁殖させる。

・女性債務者とは普通に話せる。(女性ニガテではない)

・電車のつり革をティッシュ越しでつかむ程の潔癖。

・ウサギ1羽殺されて号泣。ヤクザに殺されるくらいならと自分でウサギ殺そうとする。

勝手な妄想でしかありませんが、ウシジマくんの女性観は、いわゆるマザコンとは違いますが【ほぼ崇拝に近い母への好意】に支配されているような気がします。ウサギに関する描写がもうそんな感じですよね。

幼少期の死別によって殊更美化されてしまったのかもですが、形見がウサギという生物であることがそれに拍車をかける面白い設定です。体温あるし動くしモフモフしてるから、もう母の分身的な存在になっていたのかなと思います。

でもそうだとすると、繁殖させていくうちに何回もその死に向き合わなければならず、それはそれで抵抗がありそうな気がします。が、1羽死んでも子孫がずっと生き残っているので、逆にその存在(母&ウサギ)を不死性・永遠性まで内包するポジション、ある種の神格化に近いところまでの捉え方になっていたのでは?(だから他者による苦痛や恐怖などの”汚され”の方を恐れ、死は厭わない)

敬虔がすぎる……そのせいでウシジマくんは、異性への関心や性欲が消滅してしまったのかもしれませんね。萌えるわ(*´д`*)ハァハァ

 

債務者まとめ:菊池くん一家が示唆する負の連鎖

このラストシリーズには、菊池くんという債務者一家が登場します。この一家が、今までのいろいろな債務者の不幸や不安をすべて内包しているような、【債務者まとめ】的な存在で、ウシジマくんの行く末にも大きく関わってきます。

いろいろポイントはありますが、1点あげるとすれば「負の連鎖」ですね。ダメ母の菊池千代くんの不幸と負債は、確実にその娘・息子に影響を及ぼしています。息子辰也くんが最後にその真理を独白しています。

誰かの欲を満たすために

誰かが負担を取らされる。

by 菊池辰也

全てが全てそうとは言い切れませんが、菊池一家のような環境は明らかなハンデであり、不平等で、連鎖しがちで、抜け出しにくく、狙われやすく、負担を強いられ、不安に支配され、搾取され続けるのです。最終回で娘の文香くんが借金を完済しますが、マイナス1000がマイナス500になったくらいで、状況は決して良いとは言えません。

ここから抜け出すためには、教育・勉強しかありません。ケンカがいくら強くなっても、最強でない限り、より強いものに喰われてしまいます。じゃあ、勉強がニガテって人はどうすれば良いか? いい解決策があります! この「闇金ウシジマくん」を読むことです。どういう人間が、どう搾取されて、どうなるのか……まずは知ることが重要、それが「脱搾取」のための大きな一歩です。

 

最終回について

※ネタバレあり!

※ネタバレあり!

※ネタバレあり!

最終回、賛否両論ありましたね。まあ、これだけ長期連載&人気作品であれば仕方のない現象でしょう。個人的には大納得で、とても良い最終回だったのではないかと思います。

ウシジマくんは、強大な敵「ヤクザ滑皮くん」には勝ちましたが、全ての債務者の不幸を背負わされてしまったかような、菊池辰也くんの無敵で不条理な刃に刺されてあっさり死んでしまいます(確定ではないがほぼそんな描写)。

メタ的な考察になっちゃいますが、ラストシリーズでちょいちょい描かれる菊池くん一家が本筋の滑皮くんの話にほぼ関わってこなかったので、「何かはあるな」と予感できました。また、少年院出た後に表の仕事と住むところを手配してくれたおじさん(母の知人)は、ウシジマくんが闇金やるため出て行く時にこう言います。

「他人様に悪いことしたら全部自分に返ってくるからな。」

もうこれ見た時に「ああこれ返るね…きっと」と思いましたよ。ここまでだいぶひどい事してきましたからね( ´▽`)   あと竹本くんとの回想時のセリフ「最初から独りだ。死ぬ時も独りでいい。」もちゃんと回収していますね。

とばっちりですが、人から刺されて路上で野垂れ死になんて、死に方としてまあまともとは言えません。そういう状況含めて自身の生き方を貫き、死の状況でさえ自分で選び決断したかのようなふるまい(こういう状況になったら抗わず受け入れると決めていた?)は、どこか崇高ささえ感じます。マジで最後の見開き、舞い散る落ち葉が一瞬天使の羽に見えましたしね。

あと、ラストページの意図は、闇金という仕事の必需品=携帯電話が割れている(壊れている)ことで、「お仕事終了!」ということか、もしくは最期までその必需品を離さなかった…彼は死ぬまで闇金屋だった!ということでしょうか。後者かな?

いや~感慨深みがヤバかった……。

(´A`。)グスン

●ウシジマくん愛用タクティカルペン

 

考察:登場キャラクターで十二支が成立するのか?くん

全員ではありませんが、ウシジマくんの登場人物(主に悪役)には動物の名前が含まれています。(ナニワ金融道に出てくる会社名・団体名に下ネタがよく使われるみたいな感じで)

で、戊亥くんが登場した時に「あれ、登場人物で十二支できんじゃね?ウシジマくんも嶋だしね!」と思いましたが、その時点では全然埋まらず、「ま、連載終わってから振り返ってみるか」となりました。

で、完結したので振り返ってみましたよと。

ネズミ 根杜実(ねづみのる:スーパータクシーくんに出てくるチンピラ)
ウシ 嶋馨 カウカウファイナンス
谷秀(とらたに ひでとら:若会の会長) 八王子の暴走族駄威我蛙タイガア:豚塚がヘッド)
うーたん…ウシジマくんの母の形見のウサギ(4世代目)
いない!
ヘビ 蝮 飯匙倩(はぶ腹組の二次団体藪組) 鼓舞羅(こぶら) 池(みいけ:猪背組本部長豹堂の舎弟)
鈴木斗(すずき とうま:トレンディーくん編の不倫男)
柏木山(かしわぎようざん:洗脳くん編に登場するヤクザ)
加賀勝(かが まさる:カウカウファイナンス社員、でも刺青はトラ)
鶏・鳥 山大成(はとやま たいせい:二代目猪背組組長) 咲(さぎさき:めっちゃ食わせてくる闇金社長) 田(とびた:滑皮の部下)
亥(いぬい) 柴拳(しばけん:飯匙倩の回想で登場したヤバイパイセン略してヤバセン)
猪・豚 (いぬい) 背組 背権蔵(いのせ ごんぞう) 塚(石塚ミノルのアダ名)

十一支まで埋まったけど惜しくも辰(龍)がいない!

まあ、 斗馬くん債務者だし、うーたんは名前じゃなくてウサギそのものだし、正直だいぶ無理がありましたよ。まあ、真鍋先生も十二支を特に意識して設定してはいなかったのでしょう。

でもね、ヤクザの名前でよく使われそうな辰(龍)がない、というこの結果は少し考察できるんですよ。

( ̄▽ ̄)エヘ

考察①:龍=実在しない動物

闇金ウシジマくんは、多くの取材をもとに闇社会をリアルに描写した作品。登場人物名に動物名を起用するというスタイルにも「実在する動物限定」とすることで、そのリアル追求の姿勢を示したかった。だから十二支のうち、実在しない辰(龍)はあえて使わなかった……とかね。

考察②:龍=滑皮?

十二支で一番強そうなこの「辰(龍)」の枠に滑皮くんがハマるとピッタリなのになあ、と思いましたが「滑皮秀信(なめりかわ ひでのぶ)」の中に龍を含む文字や意味がありません、残念。

ところが大発見!滑皮くんの刺青には立派な龍が彫られている! 刺青に架空の動物として別格の「龍」を纏い、名前も「全ての動物の皮を剥いで鞣す滑皮」、というウシジマくんを追い詰める最強の敵として、滑皮=龍であると言えるでしょう!……とかね。

滑皮秀信(なめりかわ ひでのぶ)=龍

 

引用:闇金ウシジマくん39巻

おまけ情報:黒河内くん

最後の「ウシジマくん」編に出てきた黒河内(くろこうち)くん。滑皮くんに会社乗っ取りの資金を頼みに来た(儲け話を持ってきた)闇の金融ブローカー。一見動物の名前は入ってないように見えますが、この人だけアナルにラム酒…じゃなくてアナグラムで くろこうち→こくろうち→コックローチ→ゴキブリとなりますw

グラブる? ゴキブる!

(´∀`)

 

まとめくん

 

最終回で、菊池辰也くんがお姉さんを刺しに行くツイキャスしてましたが、自分のアカウント名を「3R5D3S」と名乗っていました。これは、第二次世界大戦後のアメリカ(GHQ)が、敗戦国日本を効率的に統治するための政策名だと言われています。後ろの3S(Screen・Sport・Sex)がポイントで、ようは娯楽やのめり込むものを提供して、政治への関心を失わせ、闘争心・反抗心を奪うという狙いらしいです。

あれ? これって大成功で、しかも現在も進行中じゃね?

7月に行われた参議院選挙の投票率は、約48%で過去二番目に低かったそうです。少子高齢化で順調に人口も減り続け、もらえる年金どんどん減ってるのに消費税10%に上げるよ~っつても、みんな「しょうがないよね」的な感じになっちゃってますよね。

搾取しやすいったら~ありゃしない!

Ψ(`∀´)Ψケケケ

マンガに出てくる債務者程にひどくないとしても、漠然とした不安を抱える人は多いはず。でもその逃げ道は巧妙に用意され、じわじわと気づかないうちに搾取されてますよ~~って事を教えてくれるのが「闇金ウシジマくん」というマンガではないでしょうか。

冒頭で触れたウシジマくん名言「敵を作れないのは弱い人間」がここにつながります。闇金ウシジマくんには「自分の哲学を押し通し敵を作る強い人物」がたくさん登場します。人に迷惑かけたり暴力とかは当然ダメなんですが、自分が搾取されそうになった時に、きちんと本心言って抗える人が、今だいぶ少なくなってしまったような気がします。(3R5D3S政策のおかげ?)

自分の不安にきちんと向き合い、敵を作ってでも搾取に抗う、そのためにまず知るべきことがこのマンガには詰まっています。そういう生き方ができれば、ウシジマくんはもちろん、滑皮くん、肉蝮くん、鰐戸三蔵くん、G10くんらのように、死ぬ間際にうろたえるようなことはないでしょう

それはちょっと憧れです。

 

トラウマポイント

・過度で多彩な暴力シーン、拷問シーンがあります

・その他違法ドラッグ摂取、強盗、鬱、児童虐待、動物虐待、パワハラ、ギャンブル依存、いじめ、強姦、性産業、不倫、DV、洗脳監禁、トライポフォビア、貧困、自殺、殺人シーンが山ほどあります

・1巻3話目「若い女くん」の堕ちっぷりが超恐

・肉蝮くんの「大丈夫。俺は全然熱くない!」という視点放棄思考がヤバい

・耳切り落として焼いて食わせて食レポ強要、コメント面白くなかったので次は鼻でというパワハラ

 

闇金ウシジマくんは、中学生とかだとちょっと早いかなと思いますが、高校生くらいであれば読んでも大丈夫でしょう(大丈夫か?)。とにかく大学行くとかで一人暮らしをはじめるお子さんにはぜひ読ませるべきです。人生を狂わせるリスクに関する知識や対処を、ご家庭で教育されてこなかった場合には、特にね。こういうことは、とても大事なのになぜか学校では教えてくれませんからね。(これも3R5D3S政策のせい?)

……これでまとまってますかね?

 

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おかわりくん

…うう…まだ終わりたくないよう…もうちょっと喋りたいなぁ…

(´-ω-`)ウーン

お母さん!おかわり!

おかわり① 連載漫画のプロモーション

「闇金ウシジマくん」は、ヤミ金の実態がものすごくリアルに描かれていて「このマンガすごい!」ってなって、「とても多くの取材をしてこの作品を作っている」ってインタビューか何かで出て、「ああやっぱり、あのリアルさって綿密な取材をしているからか」という認識が結構早い段階から浸透していたような気がします。

これプロモーションだとしたら大成功ですよね。深夜アニメの時間帯に関連出版社がたまにテレビCMやってたりもしますが、マンガ作品単体のプロモーションって映画化・ドラマ化・書店POP以外には、あんまり見ないですよね。ウシジマくんのこの徹底取材&反映という情報公開+浸透によって、半分実録マンガを読むような好奇感、これどこまでフィクションなの?ってドキドキが生まれました。

どの漫画でもいろいろ取材をしているらしいので、「綿密な取材をしている」という情報はそんなに特殊ではないのですが、ウシジマくんは「簡単には取材できないところを取材した」というのがポイントですよね。こういう【情報開示】をもっとした方がいいと思うんですよね、出版社側が、連載開始当初から、プロモーションとして意図的に。

「この作品の最初の着想は何か」「どのように制作しているのか」「どういう想いを込めているのか」「読んだ人の反響」などなど……雑誌の誌面、単行本のあまりページ、出版社WEBサイトなど、スペースはあるので、どんどん出しチャイナ! 「余計な情報は出すべきではない!漫画は漫画原稿のみで勝負なんじゃあ!」という先生もいらしゃると思うので、そのへんはうまく調整いただきながら、よろしくお願いします。(丸投げ2回目)

似たようなデザインのコップが2つ売っていたとします。値段も大きさも同じくらい。片方は何も情報なし。もう片方には「この形にするのに100回試作している、職人の手作りで月に10個限定」という情報あり。どっち買いますか?

おかわり② 真鍋先生の年齢

Wikiとかこの記事で、真鍋先生の年齢が「2019年時点で69歳!」って情報出てますが、これ間違いですよね。見た目お若いですし、「漫画家本SPECIAL 闇金ウシジマくん本 」読むと違うって分かります。(正確には不明)

おかわり③ 続編とか映像化とか

個人的な妄想ですが、続編または新しい映像化をするとしたら、逃亡中のウシジマくんを描いた台湾編をやってほしいなぁ。お母さんの面影がある女の子に出会って、ちょっとイイ感じになって、このまま台湾で生きてくのもいいかなとか思い始めるけど、やっぱりトラブルに巻き込まれていろいろあった結果、やっぱり日本へ帰る理由を思い出す! ……的な感じ、タイトルは「台北の女くん」

というかタピオカ飲んでるウシジマきゅんが見たい!(≧w≦)

 

勝手にマリアージュくん

色々悩みましたがコレ、元THE MAD CAPSULE MARKETSの上田剛士くんのソロプロジェクト、AA=(エーエーイコール)くんの新曲「SAW」。何となく、輩感とか、東京の街感とか(映像がですが)、殺伐とした中にも少し希望がありそう感がウシジマくんっぽいかなと思いましたよ。

ウシジマくんがアニメ化とかされたら主題歌にしてほしい! 特飛的な人たちの曲よりカッコいくない?

AA=(aaequal) – 「SAW」MV

 

■AA=(aaequal)OFFICIAL SITE

2019年8月7日、ニューアルバム「#6」発売!!!!!!!

 

で、もう1曲、HIDEくんの「DAMAGE」。公式動画的なものがなかったのですが、歌詞的にはこっち。

 

合わせて読みたいくん

ナニワ金融道

青木雄二くん作、1990年からモーニングで連載されていた伝説の金融漫画。全19巻。1992年講談社漫画賞、1998年手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞作品。消費者金融「帝国金融」を舞台に、リアルな借金ドラマとしてウシジマくんの源流とも言えそうな名作。読み出したら止まりません。金融テクニック、詳細な法律知識がためになる。これ読んで「借金は怖い」と思うようになりましたヨ。

真鍋昌平短編集「アガペー」

2019年5月発売、真鍋昌平先生の短編集。4作品収録でどれも良いです。描写がリアルで切り取り方にセンスがある……絵のテクニック的な事ではなく「人を描くのが上手い」ですよね。なんか「生きているだけで誰でもドラマになる」なんてことを思いましたよ。紙面は、真鍋先生のスタイル・らしさが凝縮されています。逆に言うとウシジマくんを読んでいる感が拭いきれず、どれもエグい展開になるんじゃないかとちょっとドキドキしますw (エグい展開になるものも一部あり)

 

あとドラマとか映画化されてますが、一切見てないので何とも言えません。なんか、滑川くんが女体化しているとか?…ちょっと面白そうなんでこれから見てみます。

闇金ウシジマくん ザ・ファイナル(予告編)

 

長くなったので、もう一回最後に結論をおさらいしますよ。

奪う事、奪われる事に鈍感になってね?

ボーーっと生きてんじゃねぇよ!!


絶対押すなっ!! (#゚Д゚)ノ押したら一生物ブラジャーの刑な!

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※ウシジマくん読んだからって、闇の世界を知った気になって軽々しく足を踏み入れることのないよう注意ください。真鍋先生が取材した内容のうち、ヤバくてマンガにできなかったネタもあるとのことです。

※本当のトラウマで苦しまれている方々を軽視したり、蔑ろにするような意図は一切ありません。