【暮らしに溶け込む実在シリアルキラー映画】 「屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ」 は………(*´Д`)
日曜夕方にシリアルキラーに会いに行くか!ヒマだしな!
めったにないんですが急にヒマができて、「映画でも見るか!」となりました。
映画館に足を運ぶのは、ポゼッションに次いで、今年やっと2本目です。
なになに、「1917」とか「パラサイト」とか…テレビで話題になってたやつがありますね。なにデミー大賞?を取ったとか取らなかったとか…。
大勢の人が見たんだと思うと猛烈に興味がなくなります。
人気作スルー症候群発動!
みんなが見なさそうなヤツがいいなぁ~。
というわけで君に決めた!
屋根裏の殺人鬼
フリッツ・ホンカ(R15+)
ドイツで1970年代に実際にあったシリアルキラーのお話だそうです。シリアルキラーの実話映画化って結構よくあるテーマなので、どうかな~と思いましたが、
①フリッツ・ホンカってあんまり聞いたことないぞ。そんなマイナーな殺人鬼を題材にするなんて、殺人数や残虐・猟奇性以外の何かがあるかも!
②音楽があのノイバウテンのF.M.アインハイト!!
③タイトルが何か江戸川乱歩っぽい!
という理由で君に決めました。
(他に見たいのなかったし…)
基本情報
●2019年製作/110分/R15+/ドイツ・フランス合作
●原題:Der Goldene Handschuh(黄金の手袋:彼が通っていたバーの店名)
●1970年代ドイツ、ハンブルグが舞台
●監督/脚本:ファティ・アキン
●主演:ヨナス・ダスラー(イケメン)
フリッツ・ホンカは、1935年ドイツ・ライプツィヒ生まれ。35歳の時から4人の老齢売春婦を殺害、1975年逮捕されるまでのお話が映画になっています。彼が住んでいたのが安いアパートの屋根裏部屋だったので、こういう邦題が付いたようです。
江戸川乱歩関係ねぇええええ!!
カンケイ━(#゚Д゚)━ネエエエ!
逮捕後は、1993年釈放、1998年病院で死亡。
監督が脚本も務めていますが、もともとはハインツ・ストランク(Heinz Strunk)さんがフリッツ・ホンカについて書いた同名の小説(2016出版)が原作。
■予告編
■公式サイト
それでは、一部ネタバレ交えながら感想書きますよ。
気にされる方は離脱を。
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正直……イマイチ!
…でした。
何でもベタ褒めすると思ったら大間違いですよ。
いや、映画全体のクオリティは高いです。セットも良くできているし、映像もちゃんとしていて、何より役者と演技が良い。B級感はありません…それだけに残念!
一番最初がマズかった!
フリッツくんが一人目を殺した直後から映画は始まるのですが、死体を丸ごと捨てにいくには重た過ぎたため、彼は部屋で解体することを決意。ノコギリのようなもので首を切断するんですが、
その時の
音がでかすぎ。
いくら演出とはいえ、あんな音はしませんよ。たぶんね。ちょっと笑っちゃうくらい音でかかったので、そこで一気に萎えちゃいました。
固い骨の時だったらわかります、ゴリゴリ音ってけっこう響きますからね。そうじゃなくで初めの肉の時の音です。「ドグチャアアアア!!」って感じのジョジョの擬音みたいな派手なでかさでした。なんでも第一印象って大事です。特殊メイクやセットですごくリアルな1970年代を表現できているのに、あの音は……もったいないです。
(*´Д`)シューン
R15+で期待していた程のヤバさ、グロさ、怖さはそこまでなかった印象。「冷たい熱帯魚」とかを観れる方であれば、ぜんぜん平気です。むしろ爽やかです。
特に大きい盛り上がりもなく、彼と彼の周辺の日常を淡々と描写した感じ。ラストも意外なほどあっさりめ。「えっ?まさかこれで終わり?」て感じで静かに終わっちゃいました。ホラー&サスペンス度が、映画が進む程薄れていくという、ある種実験的な映画なのかもしれません。
一言でいうと
「普通」
な感じの映画でした。
ジャンルで言うと胸糞系でしたが、ちょっと同情できるところもあり、胸糞にしても突き抜け感がありません。
アインハイト音はどこよ!?
あと、けっこう注意して聞いていたけど、F.M.兄さんのサントラが全然わからなかった! ドイツの古い歌謡曲的なものは何曲か流れてましたが、ノイバウテン的サウンドは5m 1secondsも聞こえてきません。
でも実は普通を描くのは難しい
シリアルキラー界のトッププレイヤー達は、殺人自体が目的である場合が多いのですが、フリッツくんはちょっと違います。殺人が目的ではないのです。
「酔ってついカッとなって殺っちゃた…」
を4回繰り返しただけなのです。
普通です。
これネタに映画を撮ろうと思ったら、心理的葛藤とかバレるバレないとかの盛り上げ構成を取り入れたくなるものですが、それがない。これは逆に評価点かもしれません。「映画化される時点でドラマティックな展開があるはず」という先入観を裏切っているのです。だからこそリアルで、「普通だった」という感想を持たされたとしたら、まんまとヤられてますね。
フリッツくんにちょっと異常な点があるとすれば、バラした死体を自分が住んでる部屋の収納(屋根裏の隙間?)的なところに置きっぱなしにしちゃうだらしなさです。結果かなり臭う部屋になっちゃっているのですが、なんだかんだごまかしつつ、いろんな人と酒を飲んだりご飯食べたり、おばちゃんの娘を狙ってみたり、酒飲んだり自然に(普通に)暮らしています。
一瞬、壁の裏に死体があることを忘れてしまいます。
これけっこう難しいかもしれません。演技力が必須です。
まとめッツ
例によってまとまってません。
やっぱり邦題でミスってる! バーを舞台にした群像劇
当の然ですが映画のタイトルって超重要です。
「シリアルキラームービーを観に行ったら何か思ってたのと違った感」の原因はおそらくタイトルのせいです。原題は、「ゴールデングローブ」。フリッツくんが女ひっかけるために通っていたバーの名前です。こっちの方がしっくり来ますね。
1970年代、ハンブルグの風俗街にある場末のバー「ゴールデングローブ」、そこには退役軍人や、元売春婦、低賃金労働者、職のある人ない人、いろいろな人が集まり、酒の力を借りて日々の不安や苦労を忘れにくる─────そんなバーでの群像劇映画。(実は殺人鬼もいたよ)
くらいに捉えると、
超しっくりきます。
若い男の子が背伸びしてバーを訪れ失敗する、など微笑ましいシーンもありますしね。
でもタイトルが「ゴールデングローブ」だったら、目に留まっていなかったかもしれないので、悩ましいところですね。
飲酒&喫煙賞受賞
まあ、バーが舞台なのでしょうがないですが、
みんな酒飲みすぎ。
登場人物の9割が、映画の時間の9割くらい酒飲んでます。これだけ酒飲んでるシーンの多い映画は記憶にありません。
フリッツくん…
もう、解体する時くらい飲むのやめなさい!
(キ`゚Д゚´)ω
あとタバコも吸いすぎ。
煙で映画館が白くなってんじゃないかって錯覚するくらい吸いまくってます。なので、禁酒・禁煙中の方はこの映画を見ない方が良いでしょう。
お酒飲みたくなっちゃいます。
コロナチャレンジ
映画と全然関係ないですけどね。
映画館という不特定多数が集まる密閉空間に出向いて、
リアルな命の危険にヒヤヒヤしながら殺人鬼ムービー見るのもオツだね!
って思ってチャレンジしたのですが、お客さん少なすぎて余裕でした。
(でも一番後ろの席を指定してしまう程度のビビリ)
●トラウマポイント
・男性が女性を全力で殴るシーンがあります。
↑関係ないけど、女性を全力で殴りたいというテーマのマンガがこちらから読めます。(新都社)
・そして当然殺人シーンがあります。
・食事中に天井からウジ虫くんがポトポト落ちてくるシーンがあります。
↑これね、昔学校で同じようなことがあったの思い出しましたよ。一日数回、窓側の席の一角でウジ虫が発見されるんです。何日か続くので調べてみたら、天井から落ちてくることがわかり、阿鼻叫喚となりました。ちゃんと調べてもらったら、校舎のどこかから天井裏に入りこんだ鳩が、たぶん出られなくなり、死んで腐ってウジっていたそうです。
私の席はウジ落下エリアからは離れていたので、青春の良き思い出です。
(*´▽`*)
・一番怖かったのは、性を生業とする女性の末路
これは映画を観た後に見た方がいい!
下調べで、この辺の情報を見てしまったので、驚きが少なかったかもしれません。
これらは映画見た後に見ると良いでしょう。
■実際の経緯をまとめたドキュメン動画
FRITZ HONKA – documentales de asesinos en serie en español
■フリッツ・ホンカWiki
■フリッツ・ホンカTOCANA
↑これ読むと「ジンのビンで殴って気絶させてから絞殺」とありますが、映画では絞殺してからビンでした。ちょっと映画的に盛り上がる演出にしたのですね。
(´∀`*)ウフフフフ
おしまい
「良い子は早く離脱して寝ないと、ホンカに連れていかれるよ!」
※変なものばっかり見て、感覚がおかしくなっている変なヤツの意見なので、あまり鵜呑みしないようにしてください。
※本当のトラウマで苦しまれている方々を軽視したり、蔑ろにするような意図は一切ありません。
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