【人生が変わるドキュメンタリー映画】卒寿監督ホドロフスキー新作「サイコマジック」を噂のあいちトリエンナーレで見たスキー!with岡村靖幸

【人生が変わるドキュメンタリー映画】卒寿監督ホドロフスキー新作「サイコマジック」を噂のあいちトリエンナーレで見たスキー!with岡村靖幸

ホドロフスキー作品はいつか紹介しようと思っていましたが、良い機会がありましたよ!

「表現の不自由展」で何かと話題な「あいちトリエンナーレ2019」の映像プログラムとして、ホドロフスキー監督の新作映画【ホドロフスキーのサイコマジック】が上映されるとのことで、万難を排して観に行ってきました!

しかも日本初上映!

しかも敬老の日!(監督は今年90歳)

しかも岡村靖幸さんトークイベント付き!

実はこの事を知ったのが数日前(TwitterのTLでたまたま)、当日朝整理券もらいに行ったら「チケット必要」と言われて、チケット買いに行ったら10:00オープンという謎のシステムに困惑しつつも、なんとか配布終了の数人前でGET WILDした幸運と運命に感謝しつつ刮目して観てまいりましたので、詳細ご報告させていただきます!

一言でまとめると…

このおじい凄スキー‼︎

ネ(ネ(;༎ຶД༎ຶ`)申)申

 

あと2回上映!ツーチャンやで!!名古屋へ走ロフ!

9月20日(金)17:00終了しました

9月23日(月・祝)17:00終了しました

 

基本情報

 

●監督:アレハンドロ・ホドロフスキー(卒寿)

●ドキュメンタリー映画 100分

●原題(英語):Psychomagic, an art that heals

●2020年には一般公開予定 たぶんR15+

●クラウドファンディングで約2,000万円調達

●パリを拠点にサイコマジックという独自のセラピーで癒される人々の話

 

ホドロフスキー監督と言えば、カルト映画の巨匠で「鬼才」という言葉がピッタリのクセの強い作品を多く世に送り出しています。伝説の「エル・トポ」は、もう今から50年前の作品ですが、単純計算で監督が40歳の時の作品なんですね、そう考えるとすごいな!

 

そんな監督の「初の」ドキュメンタリー映画。

この作品は「癒し」の映画です。

映画「サイコマジック」は癒しの芸術であり、現実を撮影することでフィクションを超越し、魔法と癒しの現実を高めたいと思っています。俳優はいません、苦しみとそれから癒す意志を表明した本物の人々だけです。

PSYCHOMAGICのクラウドファンディングページより翻訳引用

作中では、セラピーによって癒され喜びを享受する人々が撮影されていますが、これですね、この映画観た人も癒されるんじゃないでしょうか。

ちょっと大げさに言い過ぎかもしれませんが、観終わると「自分も癒されてみたい」とか「どうにもならないこの苦しみが実はどうにかできるのではないか」と思えるような、意識をちょっと前向きに優しく誘導されるような感じの映画かなと思います。

衝撃的なシーンはありますが、従来の作品ホドの、目にガツンとくる強烈な映像美や、出口のなさそうな難解スパイラルはありません。ですが、他のドキュメンタリー映画・フィクション映画のどれとも異なるインパクトがあります。80歳後半にして生み出されるこの新の境の地に、ただただ感心でスキー。

 

■「ホドロフスキーのサイコマジック」予告

PSYCHOMAGIE, UN ART POUR GUERIR

 

サイコマジックとは?

「サイコマジック」とは───

相談者の個人的で精神的な(ときに肉体的な)悩み・苦しみを解決へ導く、アレハンドロ・ホドロフスキー氏が独自に編み出した、”アートを用いた療法”であり、50年以上実践し続けているとのこと!

毎週水曜日の夜、パリを中心としたカフェなどで、タロットカードを用いた占いやトークショー(講義?)みたいな活動をずっと行なっていたそうです。

そこへ悩みを抱えた客が多く集まり、ホドロフスキーさんに相談します。相談者の話を聞き、タロットカードを引かせ、家系情報と組み合わせ問題の根本原因を探り当て、それに対する「処方箋」を相談者ごとにカスタマイズして与えます。

その「処方箋」のクセがすごい!

その処方箋とは、ホドロフスキーさんが発想する独自の儀式(ロールプレイみたいなもの)です。映画では、何人かの相談者が登場し、どのような問題に対して、どんな儀式=サイコマジックが実践され、どう作用したのかが描かれています。

 

例えば「両親と姉に対する苛立ちの感情が抑えられない」という男性に対して、

大きなカボチャを3つ用意し、それぞれに対象の顔写真を貼り、ハンマーで粉々に砕きなさい。その破片のいくつかと写真を箱に入れて、宅配便で本人たちに送りつけなさい。

という処方箋を提示し、男性はそれを実践します。(予告編の映像がこれ)

「いや、そんなんで問題解決するの?」って思っちゃいますが、不思議とこれで癒されてしまうのです。

映画では他に

・80歳で鬱になったおばあちゃん

・長年の吃音に悩む47歳男性

・結婚式前日に婚約者が自殺してしまった女性

・夫婦関係に問題がある夫婦

・ガンが発症した女性

などなど、いろんなケースが登場しますが、まさにマジック・手品を見ているようなのです。そう、わかりやすく言うと【クセの強いおまじない】ですね。その儀式・行為の原理や科学的根拠は全くわからないのに、なぜか結果(=癒し)にコミットしてしまうんです。

これ、よ〜く考えると

①精神&肉体的問題の根本原因を探り当てる能力

②その原因に作用する最適な儀式を発想する能力

という2つの凄い能力が掛け合わせられることによって実現される奇跡的な結果なのです。(どちらかが欠けていると結果に結びつかないはず)

もうね、途中から神がかって見えますよ。

 

心(無意識)に作用する「儀式」

映画の冒頭で監督が言ってました。(いや実際よく喋る方だと思います)

精神分析は言葉で癒し、根本は科学

サイコマジックは行動で癒し、根本は芸術

※ちょっとニュアンスは違っているかもしれません。

例えば今、精神的に苦しい状態に陥ったら、心療内科に行って精神分析受けて、仕事や学校休んで薬飲んだりするケースが多いのかなと思います。が、そもそも他人に自身の説明しにくい状況を語る行為もストレスですし、原因分析が違っていたり、完治に時間がかかる印象です。で、色々な療法がありますがあまり患者に触ることはしません。

サイコマジックは逆で、ガンガン相談者を触ります。もう触りまくります。積極的に体を動かし、具体的な行為・行動で心や体の問題=トラウマに作用します。理由はわからないが指定された儀式を演じる……形から入ることが本質に作用する、みたいな感じでしょうか。

これはとても特殊なことではなく、実は古来から色々みんなやってんじゃね?

例えば、宗教的儀式や茶道などの文化ルール。知らない人が見るとその所作は全く意味がわからないが、それぞれ意図と効果があるみたいな、ね。戦国武将が日頃のサバイバルストレスを解消し、心の平穏を保つため、茶道を嗜む(決められた所作をロールプレイする)なんて、定型化されたサイコマジックって言えるのではないでしょうか。

…とはいえ、その結果に作用する行為をポンポン思いつくのがスゲェって話ですよ、奥さん!

 

より映画を深く知るための重要な情報

あいちトリエンナーレは、複数の会場で色々なアートが展示されています。サイコマジックを観た「愛知芸術文化センター」が中心的な会場ですが、少し離れた「名古屋市美術館」会場の方に、この映画をより深く知るための重要な展示があります。

サイコマジックを受けた人からの「報告の手紙」の現物が展示されていて、いくつか抜粋して翻訳されたものが無料で配布されています! これはもうGET WILD!

ちなサイコマジックを受けるのに、お金はかかりません。唯一の報酬は、指定された儀式を行った経過報告を手紙に書きホドロフスキー氏へ送ることです。その手紙が展示されているのです。

さらに集団でサイコマジックを行なっている様子が映像で流れています。これは映画の一部を上映しているのではなく、この会場オリジナル?の別映像です。(ただしこの映像は、この展示作品としての共同制作者であり画家のパスカル・モンタンドン=ホドロフスキーさんの監督・撮影・編集によるもの)

これらは今しか見れない貴重な展示。10月14日までロフスキーですよ!!

 

あいちトリエンナーレ2019:名古屋市美術館会場N06で展示されているサイコマジックを受けた人からの、報酬としての手紙(本物)の展示。この裏の部屋では、集団でサイコマジックを実践したイベントの記録映像が流れている。

 

あいちトリエンナーレ2019:名古屋市美術館会場N06で無料配布されている、手紙を抜粋した本。10通の手紙が選ばれ掲載されている。左が日本語版、右が英語版。

 

まとめ①本人が主役のドキュメンタリーって斬新かよ!

普通ドキュメンタリーって、その監督の琴線に触れた凄い人だったり、特殊な環境だったりを多くの人に知ってほしい!てな感じで製作しますが、この映画は、監督本人が主役なんです。

これなかなかないですよ。

みなさん、「自分が主役の映画を自分で監督して」って言われたらどうします? どんな映画撮ります? 私だったら100億無量大数%断りますが、ホドロフスキー監督は自分でやりたいって言いました! そしてクラウドファンディングで2000万円も調達するホド、みんなが「観たい」と思う作品を提供できるホドの実績と説得力のある人なのです。そこにシビれる、憧れるフスキー。

 

まとめ②ホドロフスキー作品の理解が捗った!

色々調べていたら、ホドロフスキー氏の本職は、映画監督ではなく、サイコマジックを駆使するセラピスト、って感じですよ。今回の映画の中には、監督の過去作品のシーンがいくつか挿入されています。相談者が抱える苦悩の心象風景や、施術するサイコマジック儀式が、過去作品のシーンとリンクします。

「ああ、あのシーンってこういうことを言いたかったのか」

なんてことがちょっと分かったりします。

そうすると今までの作品について、画は美しいが難解な演出が多いことで「カルトだ」「アングラだ」言われてきましたが、実は

アートによる無意識への喜び作用で観る人への癒しを提供する

という一貫した目的(テーマ)で、映画活動やっていたんではなかろうかっ!と思って1人で鳥肌実ってました。

響かない人には全く響かないホドロフスキー作品ですが、ジョン・レノンとか、人によってはドンピシャとハマる場合があります。そこがカルトたる所以ですが。

これは何か精神的(または肉体的)に抱えている苦悩イメージ(無意識に、または意識的に)と映画のシーンがリンクした時にハマるんじゃないでしょうか。

もやもやと、漠然とした苦悩が明らかになった(可視化された、または言語化された)!

って感じでね。

原因が見えること、それだけで癒しのきっかけになったりもします。

なのでね、この映画は、今が幸せで楽しく、何も悩みがない方が見てもピンとこないかもしれません。

 

岡村靖幸×津田大介トークイベント

日本三大岡村の1人、岡村靖幸さんとあいちトリエンナーレの芸術監督、津田大介さんサプライズトークイベントがありました。岡村靖幸さんはホドロフスキーのファンとのことで、過去に監督と対談されたこともあるとのことです。30分〜40分くらいかな、結構色々話が出ましたが、覚えてる話をいくつか記載します。

※録音とかはしてないので、内容が間違っている可能性もある旨ご了承ください。

※以下敬称略

 

津田「サイコマジックどうでしたか?」

岡村「ドラマチックすぎて、ドキュメンタリーとして出来過ぎな感がある」

津田「命かけて作ってる感じがする。エル・トポのウサギの死体は本物。レイプシーンは当然演出なんだが、監督がインタビュー時に役者視点で『あれは本当にやった』と答えた過去もあるので、今回もドキュメンタリーと言いながら役者なのかもしれない。でも女性チェリスト(相談者)の演奏はマジなんで、やっぱりドキュメン?」

津田「過去に監督と対談した時の印象は?」

岡村「80歳の自分にいろんな年代の自分が内在している、という話が印象深かった。6歳の幼児の自分、10代のやんちゃな自分、20歳の行動的な自分、30歳の落ち着いた自分…若い世代の自分が成長と共に消えていくのではなく、同時に存在している、という話。」

岡村「何回か叫ぶシーンがあり印象的」

津田「ジョンレノンが、アーサーヤノフ氏提唱のプライマル・スクリームというトラウマの元凶を叫んで癒すセラピーを受けてからアルバムを作った、という話を思い出した。」

岡村「音楽も強くポイント」

津田「監督の四男が音楽を担当している。過去の映画の中にも役者として息子が出演している。父子の絆みたいなものはよく描かれるテーマで、今回もそういう話が出てくる。」

津田「音楽家としての悩みなど、どう消化する?」

岡村「いろんな軋轢あるが、自己肯定感が重要。逆はダメ、自分を卑下・乱暴にあつかう人は他人にもそうしちゃうのでは? 自分を許すことができれば幸福。あとうまくいったとしても共有できないとダメ。」

岡村「何でトリエンナーレの監督になったのか?」

津田「実はトリエンナーレの芸術監督って知らないところで色々審査されていて『あなたが選ばれました』って突然メールがくるシステム。ジャーナリスティックな活動をしていて音楽は結構好きだが、アートはちょと疎い…そんな自分が引き受けたら色々失敗して後悔しそうと思ったが、こんな大きな仕事一生に一度あるかないか。断ったら断ったで後悔しそう。で、同じ後悔するなら行き受けて後悔しようと決めた。そしたらこんな状況になっちゃってねーーってのをはじめネタにしていたが、今はマジ後悔している(苦笑)」

岡村「いや、トータリティがあって意義ある芸術祭になってますよ(フォロー)」

津田「アートって一瞬でメッセージが伝えられる強みがある。文章は読むのに時間がかかる。メッセージって強すぎるとダメ。音楽とかアートはメッセージを少し曖昧に柔らかく伝えられるメリットがある。作家がLIVEであるからこその柔軟性も文章と異なる点。モニカ・メイヤーとか、あの件があってからすぐ作品を変えることができた柔軟性。アートに嫉妬!」

補足:9月16時点モニカ・メイヤー展示。過去に受けたセクハラ、性暴力コメントがたくさん展示されていたはずが撤去。代わりにアンケート用紙を破いて床に撒き散らし、抗議としている。

津田「監督みたいに岡村さんの音楽で聴く人の生き方とかに影響与えたいと思う?」

岡村「そんなことは思ってない、まだまだ道半ば」

津田「最後にメッセージを」

岡村「考えてなかった!(正直)……この芸術祭っていろんな貴重な体験ができるプライスレスな時間、今を感じることができ色々勉強になる、まだ会期あるのでみなさんもっと楽しんでください」

津田「何か告知は?」

岡村「ないです(正直)」

写真撮影ダメって言われたので、生村靖幸さんの似てない似顔絵。

 

いやぁ〜急いで思ったこと書きなぐったので、なんだかよくまとまってない感じですが、それだけ興奮した映画っつーことでご了承くだサイコ。

来年一般公開予定ですが、待てない人は、前述の名古屋市美術館会場に足を運ぶか、下記の前作の監督インタビューを見て気分を高めておきましょう。

■映画『エンドレス・ポエトリー』メイキング映像&アレハンドロ・ホドロフスキー監督インタビュー/UPLINK

映画『エンドレス・ポエトリー』メイキング映像&アレハンドロ・ホドロフスキー監督インタビュー

 

「トラウマを〜、ぶっ壊す!」( ^ω^ )w

 

 


※本当のトラウマで苦しまれている方々を軽視したり、蔑ろにするような意図は一切ありません。