【地下映画】ナメてかかると痛い目遭いまくり!狂気のストップモーションアニメ映画「MAD GOD」!蓋をしていた裏側世界から目を背けるなかれ!
- 2023.03.13
- トラウマ映画
- PG-12, アニメ, トラウマ映画, ネタバレ, ファンタジー, 地下世界, 地獄, 妄想, 宇宙, 宗教, 拷問, 搾取, 暴力, 残酷, 汚物, 海外映画, 狂気, 神, 考察, 謎
同じ映画を劇場へ2回以上観に行くことはめったにありませんが、このMAD GOD(マッドゴッド)は衝撃的すぎて2回観ちゃいました。
2022年に見た映画の中でも個人的ベスト1を争う作品でしたので、基本的な部分をご紹介しつつ、ネタバレありで考察と妄想を語りまくってみたいと思います。
基本情報
基本情報です。
- 監督:フィル・ティペット
- 原題:MAD GOD
- 2021年公開、83分
- 製作期間:約30年
- 実写とCG含むストップモーションアニメ
- 狂気の地下世界を巡るダークファンタジー
- PG12
この映画を一言で言うと、
特殊効果の神フィル・ティペット監督の精神の深淵地獄を覗き見する狂気のミステリーツアー
です。ヤバいです。
詳しくは順次解説していこうと思いますが、圧倒的で恐ろしくも美しい唯一無二の映像体験に震えまくりです。「この数秒のためにこんなセットを造り込んだのかよぉ!!」と驚愕しまくるのは必至で、とても贅沢で濃密な83分。下記の予告編を見ていただければ、そのスゴさがお分かりいただけるかと思いまッドゴッド。
特殊効果の神降臨!『マッドゴッド』予告編動画(1:08)
マッドゴッド公式サイト
MAD GODってどんな映画?
ざっくり2つのポイントがあります。
ポイント1:ダークオンダーク
とにかく世界が暗い!
青空なんて1mmも見えない闇の地下世界で、様々なグロかわいいクリーチャーたちが蠢いており、暴力と搾取と被虐に勤しんでいます。アニメとはいえかなりショッキング強めな描写もあり、間違ってもデートで観に行くような内容ではありません。
ポイント2:台詞ヌキ&謎展開
冒頭で聖書の一部が読み上げられますが、以降登場するキャラクターに台詞はありません。
またなんとなく物語は進行していきますが、説明がなく夢の中のようなシーンの連続ではっきりとした目的や狙いがわかりません。いわゆる「見て感じろ」映画の代表選手みたいな映画ですが、こういうの大好物です。
フィル・ティペット監督とは?
フィル・ティペットさんは、スターウォーズシリーズやロボコップシリーズなどの特殊効果で有名なアメリカのストップモーション・アニメーター。特殊効果の神と呼ばれる人物ですが、監督作品は少ないです。
1993年公開のジュラシックパーク制作時、CGのクオリティを見て「私は絶滅(失業)だ!」と叫び、それをスピルバーグ監督が劇中の台詞として借用したのは有名なお話。
MAD GOD完成時、御年70歳。もじゃもじゃの大盛り白髭で神様感強め。パンフレットの中では、双極性障害、自閉症、失読症であることを告白しています。
フィル氏が自身で設立したティペット・スタジオでMAD GODのインタビューを受ける動画(17:58)
フィル監督とMAD GODの年表を整理したので貼っておきます。
年 | フィルさん | MAD GOD |
1951 | アメリカで爆誕 | |
1977 | スターウォーズEP4公開 | |
1980 | スターウォーズEP5公開 | |
1981 | 映画ドラゴンスレイヤーのためゴーモーションを開発 | |
1983 | スターウォーズEP6公開、アカデミー賞で特殊視覚効果賞受賞 | |
1984 | 視覚効果の会社ティペットスタジオ設立 | |
1987 | ロボコップ公開 | MAD GOD着想 |
1990 | ロボコップ2公開 | 約3分の映像が完成 |
1991 | ジュラシックパークでCGチームに敗北し降板、絶望で肺炎になる | |
1993 | ・ロボコップ3公開 ・CGでは不足があったためDIDを開発して再登板したジュラシックパーク公開、アカデミー賞で特殊視覚効果賞受賞 |
プロジェクト中断 |
2003 | スターシップトゥルーパーズ2で監督デビュー | |
2008 | サウンドデザインにリチャード・ベッグスが参加 | |
2011 | 若いクリエーターがプロジェクトの再始動を熱望 | |
2012 | クラファンで資金調達 | |
2013 | ウィンザー・マッケイ賞受賞(同年はスピルバーグ、大友克洋も受賞) | 第一部完成、公開 |
2014 | クラファンで第二部の資金調達 | |
2021 | 完成、映画祭で公開 | |
2022 | 世界、日本で公開 |
あと余談ですが、パンフレットの装丁がめちゃかっこイイです。
解説と考察と妄想
ここから話の順に沿って考察やら妄想やらを展開していきます。
注:一部ネタバレを含みますので、まだ映画見てない方は映画見てから読みましょう。
冒頭で引用されているレビ記とは
映画の冒頭でレビ記(確か26章 27~33節)が読み上げられます。
レビ記とは旧約聖書の中のひとつで、ざっくり言うと古代イスラエルの祭司用の業務マニュアル。いろいろな律法、すなわち神の定めた儀式の作法や禁止事項などの規定集になっていて、これらを守れば祝福が約束されるというものです。この26章あたりは、その決まりを守らないとこんな”懲らしめ”を受けるんだよという脅し的な内容です。
27~33節よりも前でけっこうきっつい懲らしめがすでに展開されています。
- 目が見えなくなるほどの熱病や肺病を起こす恐怖を降り注ぐ
- 種を蒔いても収穫するのは敵
- 作物が育たない地になり労力が無駄に
- 獣が家族を襲い家畜が死に絶え道が荒れる
- 疫病が蔓延し敵に包囲され食料が激減
で、27~33節(映画で引用してた部分)で懲らしめは最高潮に。
- 食糧が尽き自分の息子や娘を食べる
- 崇めるものの死体の上に君らの死体を積み上げる
- 聖所を破壊し町を廃墟にする
- 神へのなだめは一切聞く耳持たない
慈悲皆無すぎですね!
信仰を破ることで手酷い地獄を降り注ぐ神…シンプルにこれをMAD GODと表現しているのかもしれません。
バベルの塔
レビ記引用の後、人々が戦うような声とともにバベルの塔が映り、画面全体がゆっくり暗雲に飲み込まれていきます。
バベルの塔の話は、世界に様々な言語が存在する理由として語られた創世記での有名なエピソード。
ユダヤ教の聖典タルムードの中に、バベルの塔についてちょっと面白い描写があります。バベルの塔を建てようとしていた人は3種類いて、与えられた罰がそれに応じて3種あったそうです。
建てようとした人 | 与えられた罰 |
①天上で暮らそうとした → | そのままいろんな地域に散らされた |
②天上で偶像崇拝をしようとした → | 言語を変えられて散らされた |
③天上で神と戦おうとした → | 猿、悪霊、悪魔、夜の悪鬼に変えられた |
映画見た人なら分かるかと思いますが、劇中で猿っぽいクリーチャーが2~3種出てきます。この闘争心が高く傲慢MAXだった③の人たちが姿を醜く変えられ、あの地下世界=地獄へ追放され、永遠の苦しみを与えられ続けている…と解釈すると面白いですね。
地獄の地下世界へ
設定上アサシン(暗殺者)と呼ばれているガスマスクをかぶった一人の男(?)が、一人乗りの潜水鍾でゆっくり下降していきます。自動砲撃システムを備えた要塞、森、恐竜の化石が埋まる地層など、さまざまな階層を延々と掘削なしで降りていく様はだいぶファンタジーですが、どこか神秘的で見入ってしまいます。
地下世界の概念は、神話や伝承の中で古くから存在していますが、小説やマンガなどのフィクションでも扱われることが多く、「ひょっとしたらあるかも」というロマンを抱かせます。現在でも人間が実際に地球の奥深くを見ることは不可能なため、100%ないとは言い切れない点にその要因があるのでしょう。
過去には真剣に地球空洞説を唱える研究者もいたり、実際に地下世界に行ってきたと証言する人もいたりして、オカルト界ではけっこうメジャーなテーマです。行ってきた人の話によると、地上よりはるかに進んだ文明があり精神的に成熟した地底人が平和に暮らしているユートピア、とのこと。
MAD GODの地下世界はその真逆。
文明はありますが、そこで暮らす存在全てが醜悪で暴力的で虚しさと絶望に満ちているディストピア。まさに地獄と形容するに相応しい世界ですが、
- 弱肉強食と搾取
- 理不尽に奪われる命
- 赤子の言葉に等しいたわごとで管理される社会
- 戦争や争いが絶えない
などなど、
「あれ? これって今の地上世界のことじゃね?」
と思ってしまいました。
確かに存在するけど目を背けてきたモノを強制的に見せつけてくるような不快でしかない拷問映画なのですが、目を背けられない理由があります。分かっていながら何もできていない自身への悔いと、地下へ潜入したアサシンの存在です。彼が何かをしてこの世界を変えてくれるかも、という一縷の期待のみが鬼フィル監督の容赦なき映像暴力を耐えるよすがとなっている感じです。
アサシンの目的とは
アサシンは地下世界の底で時限爆弾を仕掛けましたが、一瞬の油断で怪物に捕まってしまいました。爆弾の時計の針は動いていましたが、残り1秒の所から先に進まず爆発しません。よく見ると、まわりにはたくさんのスーツケース(時限爆弾)が積まれています。過去にも誰かが爆弾を仕掛けにきたのでしょうか。
ようやくアサシンの目的がちょっと見えてきましたが、この時点ではまだ正確にはわかりません。一体何を爆破しようとしているのでしょうか?
地下病院にて
拘束されたアサシンは装備をはがされ注射を打たれます。その様子は影絵のようにシルエットでコミカルに映し出され、それをなぜか観客が見て笑っています。古くは公開処刑やパンクラチオン、グラン・ギニョール、闘牛・闘犬など、残酷をショーとして嗜むことができる人の負の本質を思い起こさせるヤなシーンです。
アサシンは、一方の壁がない病院のような施設でエグい処置を受けます。
この施設は、パノプティコンという監視方式の刑務所のようです。囚人のプライバシー無視で常時監視できるこの建築方式は、管理・統制された社会システムの比喩として用いられたことがあったようです。
パノプティコン型刑務所、旧プレシディオ・モデーロの内部。
Friman, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
まず装備をはがされたアサシンの容姿だけでもトラウマですが、そこで怪しい医者から受ける処置もグロくてトラウマ。ムカデ人間2的な「雑さ」が恐怖に拍車をかけます。
ぐろぐろ手術の果てにアサシンの体の奥底から、設定上MEATBALL(ミートボール)と呼ばれる赤子のような謎の生き物が摘出されました。もう何が何やら状態でぼやぼやしてると置いてかれまッドゴッド!!
回想シーン
医者がアサシンの頭蓋に穴を開けケーブルのようなもの刺すと、モニターに映像が映し出されました。どうやら過去の記憶を覗き見ることができるようです。
この回想シーンで色々見えてきます。
- 地上にアサシンはたくさんいる
- ラストマンと呼ばれる1人の男が統率している
- 何度も地下世界にアタックしている
- 地下世界では戦争が行われていた
- 謎の地下建造物が目的地
以下妄想ストーリーです。
信仰を忘れ争いを止めない地上人類は、ついに神によって滅ぼされた。しかし一人の男に不死を与え残す。人類最後の男ラストマンは、100年かけて他に人類がいないことを知り世界を滅ぼした神への復讐を誓う。過去に大洪水を起こした神への復讐を考え、バベルの塔を建てた最初の反逆者ニムロド王のように。ラストマンはもう100年かけて人造人間=アサシンの部隊をつくりだし、さらに100年かけて神が地下世界にいることをつきとめ、その入り口がある北極に拠点を構えて準備を整えた。
ラストマンは一人ずつアサシンを送り込みながら地下世界を調査する。地下世界は地底人と異形生物が跋扈する地獄のような異世界だったが、以前の地上と同じような文明があり、何らかの理由で戦争が行われていた。アサシンが見た景色は地上でも見ることができる仕組みになっている。何人ものアサシンを失いながら徐々に地下世界の地図を完成させ、神の領域であろう最深部へ到達する頃にはさらに100年が経過していた───。
という感じで、
- ラストマン&アサシンの目的は神殺し
- 捕まったアサシンと回想シーンのアサシンは別人
- 神に近づいてはいるが爆殺は成功していない
と考えます。
回想シーンのラストで、アサシンがジープで降りていく巨大な地下坑道は、地底人が同じ目的(神殺し)で造った逆バベルの塔※1※2だとしたら面白いですね。(地上世界で神は天上にいるとされてきたが地下世界では神は地下にいるとされてきた的な)
※1:リバース・バベルは、漫画「スプリガン」の中で登場する架空の地下遺跡。大量の人間の生命エネルギーを触媒とする事で、人の記憶や感情、思想・価値観を発動者の思う通りに書き換える装置。
※2:バベルの塔は、古代メソポタミアのレンガでつくられた巨大な聖塔「ジグラット」がモデルになったという説がある。ジグラットは円形ではなく長方形なので、劇中の螺旋地下坑道と符合する。
アルケミスト、宇宙を創世す
アサシンから摘出された赤子のようなものは、設定上アルケミスト(錬金術師)と呼ばれる存在に引き渡されます。アルケミストは、姿の醜い従者(設定上「インプ」)とともに赤子をすりつぶして特殊な処理を実行。そうして出来上がった粉末を空中に散布すると新たな宇宙が創世されました。
まさに「あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!」状態ですが、頑張って妄想してみます。
アサシン=人造人間の核となるのは、ラストマンの長く伸びた爪などの肉体の一部。それが分身となり魂となっていた。ラストマンの存在が神に近い性質(不死)を備えていたことが、それを宇宙の種にさせる要因だったが、ラストマン本人や摘出を手伝う地底人はそのことを知る由もない。
アルケミストは神にもっとも近い従者である。彼は、様々な素材をもとにいろいろな世界(宇宙)を創りだす存在。神は、それをただ鑑賞するだけの存在。その営みは、人の造った兵器(爆弾)ごときでは毛ほどの影響も与えることができない地下の深奥のさらに底で行われていた。世界は、ただ神に鑑賞されるために創られた箱庭のようなものであり、神の干渉と思えるような現象もあらかじめ設定されたただのシナリオである───。
この妄想に至ったのは、映画の随所に「目」または「見る(覗く)」シーンがあったからです。
分かりやすいのは、映画のオープニングとラストで写される暗闇に浮かぶ目。あれが神の目であり、我々が映画を観るのと同じように劇中世界およびリアル世界を見ているものと考えます。
神は全知なので未来に起こる出来事が分かってしまい、人間のようなハラハラドキドキや驚きがありませんよね。それでは何も楽しくないので、神の全知が及ばない「世界」という箱庭を従者に作らせた、という感じではないでしょうか。
従者アルケミストが創り出す世界は映画のようなもので、何が起きるかはあらかじめ決まっていて終わりもあるコンテンツ。たくさんの時計の針が進んだり戻ったりする描写があったので、決定論を前提とした「早送りも巻き戻しもできる宇宙」として捉えると超腹落ちします。
神はその宇宙というコンテンツをただ観るのみで、何か干渉することはありません。だとすると、理不尽と搾取と暴力と格差と被虐と差別と迫害うずまく現世に救いがないのも納得です。
山野一さんの漫画作品「どぶさらい劇場」の中に登場する神様は以下のように述べています。
善ー悪・正ー不正・美ー醜・愚ー賢 これらの言葉によって示される価値概念は 人間が勝手に定めたものであり 神はこれに関知しない どちらかが他の一方より望ましいということはないのだ
真理かもですね。
哲学者ニック・ボストロムさんのシミュレーション仮説が考え方としては近いですが、MAD GODの世界はシミュレーションが終わった結果の詰まった記録媒体みたいなもので、なおかつ住人たちは自分が記録であることは分かっていない…と考えました。
まとめ
ここまで述べてきたような、話の意味をどう解釈するかみたいな行為は正直どうでもいいです。最高にイカした(イカれた)キャラクター造形と世界が織りなす狂気の映像体験をただただ浴びることに集中しましょう。
コクのないCGだらけの凡百の映像コンテンツをねじ伏せる、圧倒的なパワー(執念)と荘厳な哲学が確かにそこにあり、もう何だか涙出てきますよ。
インタビューによると、監督自身が夢の中で見たイメージを一部映画に入れているそうです。
古代より夢は神や悪魔などの超自然的なものからのお告げであるとの考え方もあり、現代でもなお夢を見るメカニズムは正確に解明されていません。
MAD GODは、
目が覚めている人が思い描く創作には到達できない超自然的な啓示のパッチワークを、宇宙の真理にまで昇華せしめた神(フィル監督)の手の奇跡で溺れ死ぬことができる映画遺産級の名作。
とでも言いましょうか。
異論は容認いたしかねます。
おしまい
合わせて聴きたい・見たい・読みたい
MAD GODに関連がある(ありそうな)コンテンツを紹介しておきます。
音楽:ダン・ウールさんの最新アルバム
MAD GODは実は音楽も良いのです。
ダン・ウール(Dan Wool)さんというアメリカの作曲家の方が担当してますが、日本語版のサントラは発売されていません。いろいろ調べてみると2023年2月に最新アルバム「Loosely Planned Accidents For Dance 2013-2023」が発表されていて超カッコイイのですが、現時点円盤でのリリースが無いようです(ダウンロードのみ)。以下のBandcampから聴けますのでどぞ(無料視聴は回数の制限あり)。
2曲目「Then Chaos」がインダストリアル・アンビエント・テクノみたいでカッコ良すぎ。
映画:JUNK HEAD/堀貴秀監督
MAD GODと双璧をなす国産ストップモーションアニメ映画、2021年公開。監督のほぼ独力で7年かかったとか、地下世界ディストピア設定とか、グロかわいいクリーチャーとか、とても近いです。三部作の1作目だそうで、今後も楽しみ。
■解禁!期間限定「JUNKHEAD」本編映像 冒頭10分(13:11)
漫画:コミックマスターJ/余湖裕輝・田畑由秋(全13巻:完結)
アクメツやニンスレでおなじみヨゴタバコンビの漫画家マンガ名作。主人公「J」は、超絶技巧とスピードでどんなマンガも完璧以上に仕上げるスーパーアシスタント、ただし報酬は500万円。
ブラックジャックやザ・シェフの漫画家版のような話ですが、後半驚くべき展開になり「マンガによる神殺し」が描かれます。漫画業界の実情(少し誇張気味)も多く盛り込まれ、燃えよペン、編集王と並ぶ個人的三大漫画家マンガの一つです。
映画:バイオレンスボイジャー/宇治茶監督
この作品は、日本の宇治茶監督による世界初の長編劇メーション映画。劇メーションとは、漫画(劇画)とアニメーションを組合わせた表現手法で、キャラクターの切り絵イラストを動かして撮影するもの。声優以外の役割をほぼ監督一人でこなしている点が、MAD GOD的。
切り絵ながら、子供に十分なトラウマを植え付けるほどの破壊力を備えています。こちらの記事で詳しく紹介しました。
映画:紅い眼鏡/押井守監督
立喰師列伝でおなじみ押井守監督の初期実写作品。クリーチャー等は出てこないものの、夢を見ているかの様な演出、全体的に薄暗いディストピア感、コメディとサスペンスの共存など、MAD GODに通じるものがあります。
何よりMAD GODのアサシンの造形が、この紅い眼鏡に登場するプロテクトギアを装備した特機隊の見た目にそっくりで、もうそれにしか見えません。
他に類を見ないコンセプトで、35年以上経っても色あせない名作。
写真集:アンミュレ 山吉由利子人形作品集
球体人形作家、山吉由利子さんの人形作品集。撮影は豊浦正明さん。まるで生きているかのような存在感を湛えた妖しき少女人形の造形美に、ドキっとさせられます。
表紙の作品が外皮をむいたアサシンに似ている…だけの関連です。